委託販売の仕訳方法について
タイトルの件ですが、下記の方法であっておりますでしょうか。
1/1
委託先に在庫500.000円分を渡した。
積送品500.000/仕入500.000
1/5
計算所が発行された。
積送品売掛金/積送品売上
支払手数料
売れた原価が300.000円
仕入300.000/積送品300.000
入金日
1/6
普通預金/積送品売掛金
1/10
売れ残りが戻ってきた日
仕入200.000円/積送品200.000
ネットで調べて自分なりにしてみたのですが、あっておりますでしょうか。
気になったのが、売れた時と返却された時で同じ仕訳をしているのですが、あっているのでしょうか?
この段階では、原価はなくなっていることになっていませんし、期末に仕訳をして最終的に原価をだすのに、この仕訳の意味がよく分かりません。
ただ、時系列で残さなければならないのでしょうか。
税理士の回答

仕訳はおっしゃる通りで問題ないものと思われます。
1/5の売れた時の仕訳は、売上原価の計上仕訳であり、1/10の戻り商品の仕訳は1/1の仕訳の取消の仕訳であり、全く性格が異なるからです。
すなわち300,000円の原価は、期末に手元にも委託先にも残っていないので、
期末整理の
(借方)繰越用品 ××× (貸方)仕入 ×××
の仕訳金額に含まれることはなく、かならず売上原価に含まれることになるのに対し、
200,000円の委託先から戻ってきた商品の原価は、期末に手元に残っていれば、
(借方)繰越商品 ××× (貸方)仕入 ×××
の仕訳金額に含まれ、その場合は200,000円は売上原価に含まれないことになるからです。
唐澤寛先生
ご丁寧に回答いただきありがとうございます。
仕訳方法が問題ないようでよかったです。
いまいち分からない部分があるため、再度質問させてください。
下記についてですが、売れた分と返却分で意味合いが違うのは分かるのですが、勘定科目や仕訳方法が一緒のため、表面上は分かりにくいと思うのですが、正しいのでしょうか。
1/5の売れた時の仕訳は、売上原価の計上仕訳であり、1/10の戻り商品の仕訳は1/1の仕訳の取消の仕訳であり、全く性格が異なるからです。
また、下記についても分からない点があります。
最終的に棚卸をして、期首棚卸資産+当期仕入-期末棚卸で仕入れ原価を出すと思いますので、
仕入原価になるのは分かりますが、売れた段階で原価を計上しているわけではないですし、
理解ができないでいます。
すなわち300,000円の原価は、期末に手元にも委託先にも残っていないので、
期末整理の
(借方)繰越用品 ××× (貸方)仕入 ×××
の仕訳金額に含まれることはなく、かならず売上原価に含まれることになるのに対し、
200,000円の委託先から戻ってきた商品の原価は、期末に手元に残っていれば、
(借方)繰越商品 ××× (貸方)仕入 ×××
の仕訳金額に含まれ、その場合は200,000円は売上原価に含まれないことになるからです。
初めに質問した時と繰り返しになってしまうのですが、あくまで手元の在庫と委託先にある在庫で分かるために
時系列で記録を残すような感じなのでしょうか。
ご丁寧に説明していただいたにも関わらず、理解ができず申し訳ございません。
改めて上記の件、ご教授いただけますと幸いです。

仕訳は正しいです。
①原価300,000円の売れた商品について、
1/1に
(借方)積送品 500,000 (貸方)仕入 500,000
の仕訳を切っているので、このままでは、300,000の原価は、売れているにもかかわらず、永遠に売上原価に算入されません。なぜならば、積送品は資産科目だからです。
したがって、売れた商品の原価300,000円を仕入に振り替えて原価算入してあげる必要があります。
(借方)売掛金 ××× (貸方)積送売上高 ×××←売上
(借方)仕入 300,000 (貸方)積送品 300,000
↑
原価
これで、売上と原価300,000円が対応することになります。
仕入に振り替えるタイミングは、期末でも構いません。
②原価200,000円の商品について
原価200,000円の商品が戻ってきたのであれば、それを自店舗で販売する可能性もあるので、1/1の仕訳を取り消し、
(借方)仕入 200,000 (貸方)積送品 200,000
の仕訳を切ります。自店舗でも期末まで売れなければ、結果的には
(借方)繰越商品 200,000 (貸方)仕入 200,000
の仕訳が切られることになるので、200,000の商品は売上原価に算入されないことになります。
③記録について
期末日で、手元商品の棚卸と、委託先にある商品の棚卸をすれば大丈夫です。
唐澤寛先生
早速の回答ありがとうございます。
また、ご丁寧に教えていただきありがとうございます。
なんとなくですが、理解ができました。
計算所発行日には売れた分の原価を計上し、返却日には残りの返却分の原価を計上して、
期末には、手元の在庫と委託先の在庫で棚卸資産を出せば、問題ないという認識であっておりますでしょうか。
また日を改めて再度委託先に送った際は、その都度原価分を積送品に置き換えて仕訳をすれば良いのでしょうか。
度々申し訳ございません。

まあそのような理解で問題ありません。
正確に言うと、300,000円の商品は、すでに売れているので、売上原価を計上するために、仕入に振り替えるのに対し、200,000の商品はこれから手元で売れるか売れないかわからないので、とりあえず仕入に計上しておき、もし、売れれば、在庫には残っていないので、繰越商品××/仕入××の仕訳で売上原価に算入されるが、売れなければ、在庫に残っているので、繰越商品××/仕入××の仕訳で、売上原価に算入されない、ということになります。
委託先に再送した場合は、
(借方)積送品 ××× (貸方)仕入 ×××
の仕訳が必要です。
唐澤寛先生
お返事が遅くなり申し訳ございません。
ご丁寧に教えていただきありがとうございます。
そのように仕訳をしたいと思います。
また委託先に再送した際は、その都度原価分の仕訳もします。
最後までお返事いただきありがとうございました。
とても勉強になりました。
唐澤寛先生
先日はご丁寧に教えていただきありがとうございました。
また質問になってしまうのですが、売れなかった分が手元に戻ってきた際に下記のように仕訳をすると思うのですが、その際、その日に戻ってきた証明のようなものは保管しておかなければならないのでしょうか。
特に保管しておかなくても在庫帳で確認できれば問題ないでしょうか。
仕入 ×××/積送品 ×××
本投稿は、2023年10月22日 19時17分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。