事業譲渡後の繰延資産の償却について
当社は法人で、事業のうちの1つとして飲食店(フランチャイズ加盟店)を営んでいましたが、この度事業譲渡することになり、他社がその店舗を運営することになりました。
当初、この飲食事業を開始した際には、店舗への礼金とフランチャイズ加盟金を支払い、それぞれ繰延資産として長期前払費用に計上しておりました。
これらの金額は毎年償却して経費化していましたが、全額を償却する前に今回の事業譲渡をすることになりました。
そこで質問なのですが、これらの繰延資産の未償却残高は、譲渡をしたことで一気に経費にできるのでしょうか。それとも、これまでどおり毎年償却を続けることになるのでしょうか。
宜しくお願い致します。
税理士の回答

事業譲渡に伴い、店舗およびフランチャイズ契約を解約された場合、礼金および加盟金について、税務上の取り扱いは以下のようになります。
法人税基本通達8-3-6によると、「繰延資産とされた費用の支出の対象となった固定資産又は契約について滅失又は解約等があった場合には、その滅失又は解約等があった日の属する事業年度において当該繰延資産の未償却残額を損金の額に算入する」と定められています。
この通達に基づき、今回のケースでは、未償却残額を一括で損金(経費)として計上することが可能です。したがって、税務上問題ございません。

繰延資産は、支出の効果がその支出の日以後1年以上に及ぶものを差し、
繰延資産の償却は、将来の収益と費用を対応させる目的で行うものですから、
事業譲渡により、支出の効果が期待されなくなった繰延資産は、その未償却残高を一時に償却することとなります。
大中先生
丁寧にご回答をいただきありがとうございます。
根拠までご教示いただき、大変参考になりました。
丸尾先生
ご回答をいただき、ありがとうございます。
繰延資産の本質も示していただき、非常に勉強になりました。
本投稿は、2025年09月25日 10時58分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。