暗号資産の評価損益
暗号資産が2種類あります。それぞれ一つずつ評価益、評価損を決算書に計上しないといけないでしょうか?相殺して評価益としたらだめでしょうか?またたくさん種類がある場合でも、益のもの損のものにわけて計上する必要があるのでしょうか?
税理士の回答

土師弘之
法人保有の暗号資産であることを前提に回答します。個人では期末時価評価は行いません。
暗号資産の時価評価は当然のこととして、暗号主産の種類ごとに行いますが、損益計算書に表示する場合には、評価益・評価損をそれぞれ合計して表示することになります。
評価益と評価損を相殺していずれかで表示することは会計ルールである「総額主義の原則」に反します。
企業会計原則第二・損益計算書原則一・B(総額主義の原則)
「費用及び収益は、総額によって記載することを原則とし、費用の項目と収益の項目とを直接に相殺することによってその全部又は一部を損益計算書から除去してはならない。」
御回答ありがとうございます。
固定資産売却益や固定資産売却損なども同じでしょうか?

土師弘之
・外貨建取引における為替差益と為替差損(為替相場の変動という同一の要因によって発生するものであるという理由)
・有価証券の売買損益や固定資産の売買損益(相殺しているケースをあまり見たことはありません)
は、「明瞭性の原則」により例外として相殺して計上することが認められています。
なお、暗号資産については、
・外国通貨や金融資産と比較して価格変動リスクが大きい
・同一種類の暗号資産であっても複数の暗号資産取引所、または暗号資産販売所で異なる取引価額等が形成される可能性がある
などから、例外を認めたケースはあまり見ません。
ただし、暗号資産の金額が総資産に比べて僅少(3%とか5%とか)である場合は例外(相殺して表示)が認められるとされています。
本投稿は、2025年09月28日 22時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。