AIクラウド契約・返金に伴う仕訳について
個人事業主としてパーソナルトレーナー業を営んでおります。
青色申告・発生主義で記帳しており、事業用クレジットカードと事業用普通預金口座を使用しています。
AIクラウドサービスの年間契約、途中解約、意図しない自動契約、その後の返金について、仕訳方法で問題がないか、ご相談したく投稿しました。
【① 7月1日:年間契約】
AIクラウドサービスを1年間75,000円で契約しました。
(借)通信費 75,000円/(貸)未払金 75,000円
【② 8月15日:1か月利用後に解約・返金】
約1か月利用した後、システム上の不具合により8月15日に契約終了・返金が確定しました。
年間契約額75,000円のうち、1か月分5,000円を差し引いた70,000円が返金対象です。
(借)通信費 70,000円/(貸)未払金 70,000円
この仕訳でよいでしょうか。
また、返金は8月15日に確定しましたが、カード明細への反映は10月でした。この場合、8月15日に仕訳を行い、10月の明細反映時には追加の仕訳は不要でしょうか。
【③ 8月31日:意図しない自動契約と同日取消】
8月31日に、システム上の不具合で70,000円の年間自動契約が発生しましたが、同日中に取消・返金が確定しました。
契約時:(借)通信費 70,000円/(貸)未払金 70,000円
取消・返金時:(借)未払金 70,000円/(貸)通信費 70,000円と考えています。
同日中に契約と取消・返金が確定した場合でも、この2つの仕訳を記帳する必要がありますでしょうか。
こちらも返金がカード明細に反映されたのは10月ですが、10月に別途仕訳が必要か教えていただきたいです。
【④ 10月:カード明細がマイナス10,000円】
②と③の返金が10月のカード明細に反映されました。
通常のカード利用額より返金額が多かったため、カード明細上の請求額がマイナス10,000円となっています。現時点では、カード会社から銀行口座へ実際に10,000円が入金されたかは不明です。
この場合、
・マイナス10,000円が翌月以降のカード利用額と相殺される場合
・後日、カード会社から普通預金口座へ10,000円が入金される場合
それぞれどのような仕訳になりますでしょうか。
お手数ですが、ご教示いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
税理士の回答
山口勝己
【① 7月1日:年間契約】
ご提示の仕訳で問題ありません。
• (借)通信費 75,000円 /(貸)未払金 75,000円
※年間契約ですが、金額が少額(10万円未満)であるため、期間按分(前払費用への振替)をせず、契約時に一括で経費計上(通信費)して差し支えありません。
【② 8月15日:1か月利用後に解約・返金】
ご提示の仕訳は貸借(左右)が逆になっています。
返金(費用の減額)が確定したため、経費を減らす(右側に持っていく)必要があります。また、10月のカード明細反映時にも仕訳が必要です。
1. 8月15日(返金確定時)の正しい仕訳
• (借)未払金 70,000円 /(貸)通信費 70,000円
※これにより、7月の通信費75,000円から70,000円が差し引かれ、実質1か月分の5,000円だけが経費として残ります。
2. 10月(カード明細反映時・引き落とし日)の仕訳
発生主義では、カードの引き落とし日(明細反映時)に「未払金」を消し込む必要があります。
※本来であれば、7月契約分の75,000円の引き落とし時の仕訳(借:未払金 / 貸:普通預金など)が発生しているはずですが、これが10月に70,000円のマイナスとして相殺されてきた形になります。具体的な10月の処理は【④】でまとめて解説します。
【③ 8月31日:意図しない自動契約と同日取消】
ご提示いただいた仕訳の勘定科目は合っていますが、記帳の要否と10月の処理に注意が必要です。
1. 同日中の記帳は必要か?
同日中に発生と取消が完了している場合、実質的な取引は「ゼロ」です。そのため、総額を管理したいなどの理由がなければ、2つの仕訳とも一切記帳しなくて(スルーして)構いません。記帳を省略する方が帳簿がシンプルになります。
もし、カード明細に一度「70,000円の請求」と「70,000円のマイナス」が両方残るため帳簿と合わせたい、という場合は以下の2つの仕訳を両方とも8月31日付で起こします。
• 契約時:(借)通信費 70,000円 /(貸)未払金 70,000円
• 取消時:(借)未払金 70,000円 /(貸)通信費 70,000円
山口勝己
2. 10月に別途仕訳は必要か?
8月31日に上記2つの仕訳を記帳した場合、未払金はすでに相殺されてゼロになっているため、10月の明細反映(プラスマイナスゼロ)の際に追加の仕訳は不要です。記帳自体を省略した場合も、10月の仕訳は不要です。
【④ 10月:カード明細がマイナス10,000円】
ここが一番のポイントです。②と③の返金(計 140,000円分のマイナス)が10月に反映され、他の通常利用分を差し引いても、カード全体の請求額がマイナス10,000円になった状態ですね。
現時点で、帳簿上の「未払金(カードの未払残高)」が返金によってマイナス10,000円(=カード会社に対して10,000円の債権がある状態)になっているはずです。
カード会社からの清算方法に応じて、10月の引き落とし日(明細確定日)に以下の通り仕訳を行います。
パターンA:翌月以降のカード利用額と相殺される場合
カード会社に10,000円を預けている状態(前払金)として処理します。
• 10月の明細確定時(相殺確定時)
• (借)前払金 10,000円 /(貸)未払金 10,000円
※これで10月時点の未払金残高がゼロになり、帳簿がすっきりします。
• 翌月、10,000円以上のカード利用(例:15,000円の消耗品費)があり相殺された時
• (借)消耗品費 15,000円 /(貸)前払金 10,000円
• (貸)未払金 5,000円
パターンB:後日、カード会社から普通預金口座へ入金される場合
入金があった日付で、未払金のマイナスを解消します。
• 後日、銀行口座に10,000円が入金された時
• (借)普通預金 10,000円 /(貸)未払金 10,000円
※マイナスになっていた未払金が、この仕訳によってちょうどゼロに戻ります。
ご丁寧な回答をありがとうございます!
とても分かりやすく、すっきりしました😌
パターンAとパターンBについては、両方ともに仕訳を行う理解でよろしいでしょうか?
山口勝己
パターンAとパターンBについては、合致する方を採用していただきそちらだけ仕訳をしていただくことになると思います。
もっとも、状況によってはどちらにも合致しない場合も考えられますので、次回は、ポイントを絞って質問していただくか、実例を元に所轄の税務署に相談されても良いのかと思いました。
よろしくお願いいたします。
本投稿は、2026年10月07日 15時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







