回収不能と知っていた?売掛金を損金計上する社長
会社員 役職者です
会社は利益度外視売り上げ至上主義会社です。
第一線で営業活動をしている代表取締役の案件で回収不能になっている案件が多々あるということを聞き、少し調べた結果、以下の事がわかりました。
状況説明
会社の代表取締役が20年以上担当しているA社の売掛金が回収不能の為、経理上で損金として計上されております。受注件数は合計60~70回、経理が行った損金計上の回数は「2回」損金額の合計は2500万円程度です(会社の伝票などの証拠あり)。
代表取締役から経理への弁明は↓
■「事情によりA社もエンドユーザーに請求できない」
■「A社の営業のミスにより請求できない」
■「代表取締役の提示した見積りよりも実際の入金額に相当の乖離があり、経理が追及しても当を得ない発言を繰り返す」
■「A社が赤字の為に請求できない」
など、客観性に乏しく合理性に欠いた内容です。代表取締役本人の見解としては、あくまでも「回収不能になるのを想定して受注していた訳ではない」とのことです。
1.1回目、回収不能として損金計上した顧客の売掛金があるのに、二度に渡り多額の回収不能の売掛金を損金計上することに法的問題はないでしょうか(特別背任など)
2.問題がある場合、顧問税理士や顧問弁護士にも責任追及可能でしょうか
3.税務署などに状況を報告した場合、調査に乗り出す可能性はありますか。
税理士の回答

税務に限ってこととなりますが、損金算入の要件を充たしているか等、想定されていらっしゃるのかもしれませんね。税務上は、当初から回収不能とされて売上した場合、貸倒損失になりませんし、寄付金扱いされることもあります。
利益の獲得が目的となりますから。これらは、顧問税理士さんからも繰り返し説明はされていらっしゃるでしょうし、事業は、一つの顧問先だけではなく、全体で判断すべきものですから、これらは経営判断の結果であり、円滑に方針を変更させるには、周囲の方の推薦を受けて、経営者になる。現在の経営者の方も、認めてもらえるような環境にすることくらいしか思い浮かびません。

本当に、回収不能なのか、横領でないのか、を疑りたくなるような内容です。
代表取締役でなく、一営業担当であれば、許されない弁明です。
取締役、監査役、執行役等の役員は、その任務を怠って会社に対して損害が生じたときには、会社に賠償する責任があります(会社法423条)。
そして、役員等が株式会社又は第三者に生じた損害を賠償する責任を負う場合に、他の役員等も当該損害を賠償する責任を負う場合(連帯責任の場合)が有ります(会社法430条)。
詳しくは弁護士さんにご相談いただく必要がありますが、それ相応の責任を追及されてしかるべきと思います。
なお、税務上の処理としては、貸倒損失の要件を満たしていないと思われますので、「寄付金」として処理することになると思います。
現在の税務処理が分かりませんが、税務調査では問題となる内容かと思います。
本投稿は、2018年07月03日 06時15分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。