建築中の火災保険および地震保険の保険金に対する税務について
掲題の件で困っておりまして、下記の事例の場合に、
保険金に対して税法上どう処理をするのかご助言いただけますと幸いです。
損保の税務処理の基本では、火災保険や地震保険の目的は、損害の補てん分に限られているため、
保険金を受け取っても利益は生じないというのが小職の理解なのですが、
代理店より本当に正しいのか確認を求められております。
【事例】
Aさんは、B工務店が建設し完成後に住宅になる物件に対して、火災保険(地震保険付き)を契約している。
Aさん=契約者(保険料負担者)
B工務店=被保険者(引渡までの物件の所有者)
ケース①
建設中に火災が発生し、B工務店が保険金を受け取った場合の税法上の処理について
ケース②
建設中に火災が発生し、いったんAさんが保険金を受領し、B工務店に渡した場合の税法上の処理について
ケース③
建設中に地震が発生し、B工務店が地震保険金を受け取った場合の税法上の処理について
ケース④
建設中に地震が発生し、いったんAさんが地震保険金を受領し、B工務店に渡した場合の税法上の処理について
税理士の回答
通常の消費者が、家庭用の物品に係る損害保険や生命保険を受け取った場合は、非課税です。
しかし、事業者が、事業に関連して、損害保険を受け取った場合、収入として計上する必要があります。通常、消費者に関しては、受けた損害を全額経費とすることはできません(雑損控除)が、事業者に関しては、法人・個人にかかわらず、その損害を全額経費にできるので、保険金を全額収入にしないとつり合いがとれないからです。
建設までの工事費や、損害賠償金(あれば)を経費計上しているため、損害保険料も収入計上します。もっとも、ケース②④の場合で、AさんがBさんに保険金を渡す契約を締結せず、任意に渡した場合は、贈与税の問題が生じる可能性があります。
本投稿は、2016年02月19日 10時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。