個人契約の住居兼事業所で法人を運営する場合の経費処理について
現在、個人事業主としてコンサルタントをやっています。「住居兼事業所」の賃貸契約で事務所(自宅は別にある)を借りています。
近々、新たに法人を設立し、この「住居兼事業所」を法人の事務所として活用したいと考えています。現在借りている「住居兼事業所」は登記OKとなっており、この住居兼事業所で法人登記を行い、家賃の全てを法人の経費にしたいと考えています。その場合、どのような経理処理をすれば良いのでしょうか?私個人が法人と賃貸借契約を結び、賃料全額を法人から私個人に支払う形式(個人事業としては家賃収入)とすれば良いのでしょうか?
なお、個人事業の方は、自宅に事務所を移して自宅家賃の一部を経費としていく考えです。
何卒、ご回答のほど、よろしくお願いいたします。
税理士の回答
法人の設立登記が完了した場合、現在の賃貸借契約を新設法人が借主となる契約に変更はできないのでしょうか。
借主が法人になって、法人の本店所在地として法人の業務の用に使用するのであれば、法人が家主に直接家賃を支払って経費処理すれば宜しいと思われます。
宜しくお願いします。
早速のご回答ありがとうございます。
家主からは個人契約でと言われており、法人契約が難しい状況です。
ご連絡ありがとうございます。
法人契約は難しいのですね。そうなりますと、相談者様から会社に対して「転貸」ということになりますが、実態は法人の賃借になると思われます。
従って、個人(相談者様)と会社とで、次のような内容の合意書を交わして、会社で全額経費処理することで宜しいと考えます。
≪合意書の記載例≫
・従来の個人事業をこの度、法人成りした。
・従来の事業所を新設法人の本店所在地とし、同所で営業を継続する。
・本来であれば事業所の借主を法人に変更すべきところ、貸主の都合で個人名のまま継続するが、これは便宜的なものであり、今後の支払義務と使用権利はすべて法人に帰属する。
以上、ご参考になれば幸いです。
ありがとうございます。追加で聞かせてください。ご面倒をおかけします。
①この場合、私個人は家主に対して何か報告をすべきなのでしょうか?
②私個人は個人事業も継続するので、この賃借契約において、私個人の確定申告は法人からの賃料を賃料収入(例えば10万円)として計上し、一方で私個人が大家に支払う賃料(例えば10万円)は個人事業の経費(賃料収入を得るための経費)として計上するという認識で正しいでしょうか。
ご連絡ありがとうございます。
1. 大家さんとの賃貸借契約書を確認する必要がありますが、通常は転貸や目的外に使用する場合には大家さんへの報告か許可が必要かと思います。
2. 方法としては次の2通りが考えられます。
① 相談者様のお考えのように、大家さんへの家賃の支払い(地代家賃)と会社からの家賃の受取り(雑収入)を両建てで計上する方法。この場合には、青色決算書または収支内訳書の特殊事情欄に取引内容の説明を記しておくと良いと思います。
② 前述の合意書を作成して、会社が使用する事業所の家賃に関しては個人の確定申告には反映させない方法。こちらは賃貸借契約は名義だけであって、実態は会社の取引であることを前提とした考えになります。
税務は実態で判断しますので、2番目のご質問につきましては適正に利益金額が計算されていれば、どちらの方法でも問題ないと考えます。
宜しくお願いします。
本投稿は、2017年08月17日 22時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。