資産除去債務の減損に係る税効果の扱いについて
弊社では、資産除去債務を計上しており、減損処理を実施しております。
この、資産除去債務に減損を実施した場合、税効果における繰延税金負債の
扱いが分からず、ご教授頂けますと幸いです。
①資産除去債務を、10,000円を認識している。(税率30%)
②資産除去債務に対する、税効果を認識。
③資産除去債務の減損を実施。
④税効果における、資産負債法に基づき、会計上の建物と、税務上の建物(簿価無し)
の差額を反映させる?
①(建物)10,000 /(資産除去債務)10,000
②(DTA) 3,000 / (DTL)3,000
③(減損損失)5,000/(建物)5,000
④(DTL)1,500? /(法調)1,500? ←あっている?ここの処理が分からない。
税理士の回答

④の仕訳について、おっしゃる通りでよろしいかと思います。
減損損失を計上することで将来加算一時差異の解消になるためです。
また、残りの資産除去債務に関する固定資産(500)は今後費用化していくかと思いますが、④と同様に税効果の仕訳を行います。
なお、資産除去債務の減損損失という表現よりかは資産除去債務に関する固定資産の減損というような表現の方が適切かと思います。
本件、迅速にご回答をいただきありがとうございます。資産除去債務(以下ARO)に関する固定資産の表現についても、ご指摘いただきをありがとうございます。
ちなみにですが、今回例示とさせていただいたAROに関する資産の「減損損失」については法人税法上は、減価償却費に準じるものと解釈した方がよいのでしょうか。
「減損損失」=「会計上の見積り」のため、税務上認められず加算・留保(税務上の資産)が必要という短絡的な考え方を行っておりましたが、そもそもの会計上の見積りであるAROに関する資産の「減損損失」で、税務上加算調整を行うと、税務上資産計上を認めていなかったAROに関する資産の税務上の資産化(計上)を認めてしまうことになるため、税務上は減価償却費として解釈せざる負えないということになるのでしょうか。

おっしゃる通り、法人税法上は資産除去債務及びこれに関連する固定資産については認められていません。
そのため、資産除去債務に関する固定資産の減価償却費及び減損損失についても損金算入されないことになります。
法人税申告書上の別表四の表現については、会計上の損益計算書についての修正(加算)になりますので、会計上減損損失として計上するのであれば、「減損損失(否認)」のような調整でよろしいかと思います。一方で別表五(一)(利益積立金額及び資本金等の計算明細書)上では「資産除去債務に関する固定資産」等で記載すればよろしいかと思います。
別表四及び五(一)の加減算項目の表現については、あくまでも法人税法上認められていないものを分かりやすく記載するということでよろしいと思います。
ご丁寧にありがとうございます。

こちらこそありがとうございました。
本投稿は、2025年04月05日 09時40分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。