合同会社の閉業で必要になる手続きや費用について
現在、1人運営の合同会社を経営しており合同会社の閉業のタイミングと閉業に係る費用についてお伺いしたいことがあります。
1、合同会社の閉業手続きで必要になる手続きと用意する書類や必須で係る費用を伺えますでしょうか。
2、合同会社は11月末決算なのですが、12月になる前に閉業の手続きをした場合は、来季の法人税などがかからないのでしょうか。
→今から手続きをする感じでも間に合いますでしょうか。
3、たとえば12月を超えて閉業にした場合は、来季も決算を行う必要があるのと、法人税関連がまるまる1年分係るのでしょうか。
4、特に借入金や借金はないのですが、閉業手続き後、会社の口座の残金は全て私が得られる認識で正しいでしょうか。
5、税理士さんに閉業を依頼する場合、税金と報酬で大体の相場を伺えますか。
宜しくお願い致します。
税理士の回答
ご質問の件、順番に整理して回答いたします。
1.合同会社の閉業(解散・清算)で必要な手続き・書類・費用
合同会社を「閉業」する場合、正確には
①解散 → ②清算結了(廃業)
の2段階の手続きが必要です。
必要な手続き(法務局)
解散決議(総社員の同意)
解散登記申請
清算人の選任登記
清算人による公告(官報)
清算して残余財産を分配
清算結了登記申請
必要書類(主なもの)
解散決議書
清算人選任決議書
登記申請書
官報公告の手続き書類
必須費用
解散登記の登録免許税:30,000円
清算結了登記の登録免許税:2,000円
官報公告費:3~4万円前後
合計:約7万円前後が最低限の実費です。
.11月決算の合同会社を12月前に解散したら法人税はかからない?
結論:
12月になる前(=決算日前)に“解散日”を置けば、新しい事業年度は発生しません。
法人税は「事業年度末」ごとに申告するため、12月以降に新しい事業年度に入らなければ、翌期(来季)の法人税は発生しません。
「今すぐ動けば間に合うか?」
解散登記そのものは11月中に“解散日”を設定すれば可能
ただし「社員同意書・議事録作成 → 登記申請 → 官報手続き」など事務作業があるため、急ぎ対応が必要
3.12月を超えて解散すると、来季も決算が必要?
結論:
はい。12月をまたぐと来季の事業年度が発生し、1期分の決算と法人税申告が必要になります。
たとえ「12月1日に解散」したとしても
→ 12/1に始まった事業年度が発生
→ その分の決算・法人税申告が必要
つまり 1日でも新年度に入れば決算義務が生まれる 点に注意が必要です。
4.残った会社口座のお金は全額もらえる?
結論:
はい、残余財産として社員(=ご相談者様)に分配可能です。
ただし注意点:
分配は「清算人が負債をすべて精算した後」に行う
5.税理士に閉業・決算を依頼する場合の相場
あくまで一般的な相場ですが:
税理士報酬
解散期の決算申告:約8〜20万円
清算結了申告:5〜10万円
合計:13〜30万円前後が一般的です
帳簿が整理されていない場合は追加費用がかかるケースが多いです。
その他(税金)
清算中に利益があれば法人税がかかる
残余財産の分配でみなし配当課税となる可能性あり
この度は、とても詳しい回答を頂き誠にありがとうございます。
すみません、少しだけ追加で質問をさせて下さい。
>社員同意書・議事録作成 → 登記申請 → 官報手続き
上記の書類の作成ですが、会社印を押す必要はありますでしょうか。
また、原本を役所の提出する必要がありますか。(電子申請などは可能でしょうか。)
こちらをお伺いしている理由としては、私が今海外にいる為となります。
宜しくお願い致します。
ご質問ありがとうございます。
海外からの手続きという点も踏まえて、順番に回答いたします。
1. 書類作成に会社印は必要か
結論としては、
「会社印(実印)」を押す必要があります。
解散決議書
清算人選任決議書
登記申請書
これらの書類には、法人の実印(法務局に届出済みの印鑑) を押印するのが原則です。
2. 原本提出は必要か(電子申請は可能か)
登記手続については電子申請が可能ですが、
以下2点に注意が必要です。
①電子申請でも「原本となる書類の提出/提示」を求められる
電子申請そのものはできますが、登記申請書類そのもの(PDF)に電子署名を付けるか、原本を別途郵送する必要があります。
② 司法書士に依頼する場合は原本郵送で代替可能
相談者様が海外にいる場合で司法書士に手続きを依頼する場合
司法書士が「原本還付」や「認証付きのPDF化」 を用いて電子申請を代行できます。
この場合、相談者様は原本に押印した書類を日本へ郵送するだけで手続きが可能です。
3.おすすめできるご提案として
司法書士に依頼し、押印した書類を海外から日本に郵送する方法が最もスムーズです。
理由:解散・清算登記は誤りが生じやすい
官報公告も司法書士が対応
海外在住の場合、書類の再提出・補正が発生するとほぼ対応不可
電子署名を海外で用意するのは困難
よって、
海外在住の場合は「司法書士+郵送」の組み合わせが唯一現実的です。
ご回答を頂き誠にありがとうございます。
かしこまりました。今後の参考にさせて頂きます。
本投稿は、2025年11月21日 02時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







