在庫処分の会計処理について
A商品の販売から撤退する予定です。当在庫を処分した場合、処分業者へ手数料がかかるため、A商品の卸先へ無償譲渡したいと考えております。
この場合におけるA商品の無償譲渡の会計処理をご教示ください。
売上原価、在庫処分損(特別損失)、交際費、寄付金などが考えられるかと思います。
税理士の回答
山口勝己
原価計算の過程において、期末商品棚卸高に算入しなければ(入れなければ)自動的に経費になるはずです。
ご質問にある「交際費」や「寄付金」は、今回のケースは基本的には該当しません。交際費に該当しない理由は、得意先への贈答であっても、目的が「売れ残り在庫の処分(損失の極小化)」であるため、接待や親睦を深めるための「交際費」には当たりません。寄付金に該当しない理由は、経済的な合理性(処分業者へ支払う手数料を浮かせる目的)があるため、一方的な利益の供与である「寄付金」には該当しません。
税務署から「事実上の贈答(交際費)ではないか」と指摘されないよう、以下の証憑(エビデンス)を必ず残してください。
撤退の社内決定文書:A商品の販売・事業から撤退する旨が記載された稟議書や議事録。
見積書の比較:処分業者に依頼した場合の「処分手数料の見積書」を保管し、無償譲渡の方が損失が少なかったという経済的合理性を証明できるようにする。
契約書・合意書:卸先との間で「在庫処分に伴う無償譲渡であること」「譲渡後の返品やクレームは受け付けないこと」などを記した書面。
消費税の取扱い仕入税額控除については、当該A商品を仕入れた際の消費税(仕入税額控除)は、そのまま全額控除して問題ありません。廃棄や処分目的の無償譲渡であれば、仕入税額控除を否認されることはありません。みなし譲渡の注意今回は「卸先(法人・他個人事業主)」への譲渡であるため問題ありませんが、もし「役員や従業員個人」に無償で配る場合は、消費税の「みなし譲渡」として課税売上を計上する必要が出てくるためご注意ください。
本投稿は、2026年06月16日 15時34分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







