期末棚卸高と商品勘定の不一致
決算書の損益計算書に載る「期末棚卸高」と貸借対照表に載る「商品」の数字が一致しないことはありますか?もしあるとするならば、どういった場合に起こりうるでしょうか。ご回答お待ちしております。
税理士の回答
大きく3つの可能性を考えます。
①記帳誤りがある場合
前期末在庫の洗替仕訳の誤りなどにより、一致しない可能性があります。
②日常仕訳で仕入勘定ではなく商品勘定を用いて仕入計上を行う場合、期末棚卸高勘定を用いないことがございますので、結果としてずれることがあります。実棚との差は原価算入が必要です。
③棚卸評価損等を計上している場合
期末棚卸により、「期末棚卸高」を確定したのち、「棚卸評価損」を別表記で計上する場合には、ずれる要因になります。
ご確認してみてください。いかがでしょうか。
この度はご回答頂きありがとうございます。
①記帳誤り
前期末在庫の洗替仕訳の誤りなどにより、一致しない可能性があります。
>専属の税理士さんにも確認して頂いているので記帳誤りの線は薄いかと思います。
②日常仕訳で仕入勘定ではなく商品勘定を用いて仕入計上を行う場合、期末棚卸高勘定を用いないことがございますので、結果としてずれることがあります。実棚との差は原価算入が必要です。
>日常仕訳では仕入勘定を用いております。
③棚卸評価損等を計上している場合
期末棚卸により、「期末棚卸高」を確定したのち、「棚卸評価損」を別表記で計上する場合には、ずれる要因になります。
>試算表に棚卸評価損等の表記が無いということは、そういった仕訳は計上されていないということですよね。
ちなみに前期の試算表にある「期末棚卸高」と当期の試算表にある「期首棚卸高」の数字も一致しないのですが、こういったことはあり得て良いんでしょうか?
③の別表記というのは、少し語弊があったかもしれません。
評価損を別掲しているかどうかは問題ではなく、評価損があったかどうかがポイントです。
そして、前期期末棚卸高と当期期首棚卸高の不一致についてですが、先の③評価損が存在する場合、処理方法によっては、誤りではなくずれることがあります。(それでも、評価損の影響を取り除けば、ズレはないはずです。)
具体的には、期末棚卸高を実棚100-評価損20で処理する一方、翌期首の期首棚卸高は100で仕訳することがあります。
翌期末の実棚が50であり、評価減対象が在庫に残っている場合、次のことが生じます。(すなわち、正常品50のみが売れていた場合)
先の例で、前期末棚卸高80とすると、
処理①
期首棚卸高80
期末棚卸高50‐20=30
処理②
期首棚卸高100(←前期末とずれているが、正解)
期末棚卸高50
のいずれかが正解な処理です。
しかし、次の誤りが散見されます。
期首棚卸高80
期末棚卸高50
正常品が50出たはずなのに、30しか出ない仕訳となってしまいました。これは、評価損の管理手法が期首と期末で変わったことで、評価損相当が悪さしてしまっているからです。
※この具体例の部分は、経理の専門でも理解に時間かかる部分ですので、そんなことがあるんだ程度で、ご参考にしていただければと存じます。
評価損がないとすると、誤りの可能性が高いと思います。
税理士がついていても、監査法人が監査していても、間違えに気づかないことはあり得ます。
再度ご確認いただければと存じます。
本投稿は、2019年09月02日 17時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。