不動産売却の所得税について
不動産の売却にかかる所得税の計算について教えてください。
父から相続した不動産(土地、建物)の売却を考えています。専門用語等わかりませんので、説明がわかりづらいかもしれませんが、よろしくお願いします。
仲介業者の担当の方には経費、所得税など差し引いても1000万の手取りは欲しい旨を伝えて売却の話を進めて貰っていました。買いたいと言ってくれる人が現れて1300万なら買うと言ってくれました。
担当の人は「1000万余裕でクリア」と仰ってくれました。でも、私の方が「もう一声」と頼み、1400万になりました。
1300万で余裕だったのだから1400万ならいくらになるだろうとワクワクしていました。
けれど、契約目前の打ち合わせで担当者が提示してきた金額は、私が想像していた額と違いました。
諸経費を差し引いて1300万、そこから所得税250万を差し引いて手取りで1050万
くらいにしかなりませんでした。
1300万の段階で「余裕でクリア」と言われたのに、1400万でも決して余裕とは思えませんでした。
但し、担当の人が「うちの会社では報酬は高いけれども所得税を安く計算出来る税理士を紹介できますから…」と押されたのですが、所得税がハッキリするのは売買が成立した後の話なので、ちょっと信用が出来ず売却の話は保留にしました。
最初から1000万以上なら売りたいと手の内を見せてしまった私も私なのですが、買主様が100万も多く支払ってくれたとしても、売り主はなんの得にもならないものなんでしょうか?
不動産屋の口車には乗りたくないので、しっかり納得してから返事をしたいと思っています。
どうか所得税の計算の仕方を教えてください。
税理士の回答

長期譲渡(5年以上保有)で、所得税約15%、住民税5%の合計約20%の税金がかかります。

髙橋一彦
譲渡所得の計算及び税金の計算について説明します。
まず譲渡所得の計算ですが、これは譲渡金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。
なお、その不動産の取得費ですが、相続の場合は引き継いだ金額となりますので、父親が購入した金額が分かる場合は、それを基に計算します。
父親も相続により取得した場合など金額が安い場合や、購入金額がわからない場合は、譲渡価格の5%を採用することができます。
相談者の例ですと、仮に1400万円で売却できた時には、取得費は70万円となります。
次に譲渡費用ですが、この場合の仲介手数料は売却金額の3%+6万円の消費税となりますので、52万円ぐらいとなります。
これを基に譲渡所得を計算すると1400万円-70万円-52万円=1278万円となります。
最後に税率ですが、譲渡所得金額に所得税15.315%、住民税5%の合わせて20.315%の税金がかかるので、1278万円×20.315%=260万円となります。
1400万円で売却できた場合は、仲介手数料52万円、税金260万円となりますので、手取りは1088万円となり他に費用がかかれば手取りは減ります。

No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)
詳細は、国税局のホームページを参照してください。
http://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1440.htm
富樫先生、高橋先生、回答ありがとうございます。国税局のホームページはまだ見ていないのですが、もうひとつ質問させてください
私が相続した建物は祖父母が借りていた家を父が安く買い取って後にリノベーションしたものです。私が相続したのは昨年の暮れになります。
所有してから5年は保有していません。リノベーションについては領収書など無く不明です。所得税の計算は変わりますか?

家の購入費、改築費用の金額がわからない場合は、譲渡代金から、5%を取得費として控除します。さらに、譲渡経費(仲介手数料、印紙代など)を引いて、課税所得を算出します。その約20%が税金となります。
父が購入した時から5年超を判断します。
ありがとうございます。
不動産屋が言う「報酬は高いが、所得税を安く見積もる事が出来る」とは、どういう意味ですか?それは特別な税理士の先生にしか出来ないのでしょうか?不正ではありませんか?
また、自分で所得税の申告をする場合、費用はかかりますか?

私も意味が理解できませんが、ほかに取得費や譲渡費用がなければ、納税額は同じです。
ご自身で申告されたら、費用はかかりません。
途中から失礼致します。
ご質問の文章に「所有してから5年は保有していません」とありますが、お父様が買い取られたのは5年超前のことでしょうか、それとも5年以内になるのでしょうか。
お父様の購入が5年以内で、その物件を相談者様が相続で取得し、その後売却されたとなりますと、その譲渡は「短期譲渡」となるため、税率が所得税30.63%(復興特別所得含む)、住民税9%になり、かなり税負担が増加しますのでご留意ください。
万一、5年以内の場合には、お父様の購入価額とリノベーション(増改築)の費用につきましては、領収書を再発行して頂くなりして、金額を明らかにすることが税負担を軽くする方策かと思います。
また、お父様からの相続が昨年の暮れで、相談者様に相続税の納税がある場合には、その相続税の一部(売却する土地家屋に対応する相続税)が売却の税金計算上、取得費に加算することができますので、この点も忘れずに計算する必要があります。
また、「所得税を安く計算できる税理士」という紹介をされているようですが、税法の計算にはルールがありますので、勝手に所得税を安くできる訳ではありません。その点は誤解のないようご留意ください。
何度もすみません。
ありがとうございました。
服部先生、詳しくありがとうございます。
相続税の納税は預貯金も合わせて100万円くらいでした。不動産の部分の相続税について申告すれば良いのでしょうか?
父が所有したのも相当昔ですし、リノベーションしたのも13年くらい前です。どこの業者に依頼したのかもわかりませんので、かかった費用を明らかにするのは難しいです。
まだ売却は決めていませんが、申告は自分でしようかと思います。
ご連絡ありがとうございます。
相続財産を相続税の申告期限から3年以内に売却する場合には、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」というものが適用できます。
詳細は下記サイトをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
お父様が取得されたのも、リノベーションされたのも、だいぶ前のことですね。
それであれば「長期譲渡」となりますので税率は20.315%(住民税含む)になります。
サイト拝見しました。
この特例は遺産相続してから3年までの適用なんですね。でも計算が難しそう…。
確定申告が必要なんですか?
ご連絡ありがとうございます。
計算の内容はサイトの説明だけですと難しそうに見えますが、下記の計算明細書に必要事項(各項目に記載された事項)を記入していけば計算できる仕組みになっていますので、この用紙を利用して計算すると宜しいと思います。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/yoshiki/02/pdf/a037.pdf
この計算に必要なものは「相続税の申告書」になります。
ありがとうございます!一瞬怯みましたが、落ち着いて考えたら私にも計算出来ました。約40万くらいになりましたので、売却予定額の1400万から取得費、譲渡費用などと一緒に差し引いて、そこに20.315%を掛ければいいのですね。
だいぶ見えてきました!
ご連絡ありがとうございます。先が見えてきたようですね。
次のような流れで計算してみてください。
①収入金額:1400万円
②取得費
(イ) 概算取得費:①×5%
(ロ) 取得費加算額:上記の計算明細の金額
③譲渡費用
(イ)仲介手数料
(ロ)収入印紙代
④譲渡所得:①‐②‐③
⑤所得税住民税:④×20.315%
⑥手取り額:①‐③‐⑤
わかりやすく、とても参考になりました!
ありがとうございました。
本投稿は、2018年05月28日 14時28分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。