買取屋の売却に伴う消費税について
商品券などの金券類から貴金属やブランド品、おもちゃや古本など、幅広いジャンルの買取店にて店長をしております。
買い取った品の売却先は、同業者およびオークションなどを通じて一般消費者となります。
先日、売却想定額120000円の腕時計を114000円で買い取ったのですが「それでは売却額にかかる消費税が120000×0.08=9600だから、この買い取りは赤字。後々取られる消費税を計算せずに薄利で買い取っていたら、買ったら買っただけ赤字になる」と言われてしまいました。古物商における売却額に掛かる消費税の計算はこの理論は正しいのでしょうか?買い取り時にどこまでを含めて買い取り額をはじき出すべきかが分からなくなっています。
また、切手や金券類などは消費税免除とも聞きました。その他にもそういったジャンルはあるのでしょうか?
諸々ご教授頂けますでしょうか。よろしくお願いいたします。
税理士の回答

首藤毅彦
先に消費税の考え方の説明をしますと、税込114,000円で仕入れて、税込120,000円で販売しますと
仕入 105,555円 / 現金 114,000円
仮払消費税 8,445円/
(分かり安いように税抜処理を適用し、決済方法は現金とします。税抜価格の算出については、税込価格に100/108をかけて算出したものです。)
現金 120,000円 / 売上 111,111円
/ 仮受消費税 8,889円
このような取引となり売上111,111円-仕入105,555円=5,555円の利益
消費税の計算は仮受消費税と仮払い消費税との差額となりますので、8889円-8,445円=444円(100円未満の端数は切り捨てますので400円)
ざっくり計算しまして、利益は5600円で、支払う消費税は400円となります。
消費税の計算はあくまでも、受け取った消費税と支払った消費税との差額となりますので、単純に赤字になる事はありません。(消費税の申告方法を簡易課税を受けている場合には、この計算方法では算出できません)
ちょっと、分かりずらいと思いますが、薄利であったとしてもそれに伴い消費税、計算上の経費が多くなりますので、消費税で赤字とはなりません。
前置きが長くなってしまいましたが、お問合せに記載のとおり金券、切手等はそのその金券等を買い取った人が使用した時に課税仕入れとなりますので、仕入れを行ったときも、売れたときも課税対象外となります。(上記仕訳で仮受消費税と仮払消費税がない取引と考えてもらえれば、いいと思います。
その点を踏まえる、課税取引であれ、課税対象外の取引であれ、ほとんど変わりは無いと思われます。
消費税の課税事業者でない場合は売却額にかかる消費税を考慮する必要はありません。
課税事業者である場合でも、売却にかかる消費税から、買取にかかった消費税114000×0.08=9120を差し引くことができます。
ただし、2023年からインボイス制度が導入されますので買取にかかる消費税は控除できなくなる見込みです。
金券類は下記ページの「3チケット業者の取扱い」をご参照ください
https://www.nta.go.jp/m/taxanswer/6229.htm
郵便切手、印紙、証紙は課税
商品券、ギフト券、旅行券は非課税です。
とても参考になり、間違った認識を正すことが出来ました。ありがとうございました。
本投稿は、2019年04月28日 16時52分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。