税抜処理における課税仕入の課税区分の間違いにおける簡易課税申告
私は、法人を経営して申告も自分で行なっています。
消費税の簡易課税についてご質問させてください。
前年申告をした消費税申告等について間違えを見つけました。
間違えの内容は軽油税を課税仕入としてずっと処理をしていたというものです。
しかし、簡易課税の計算に必要な課税売上及び事業区分は間違いありません。
仕訳は以下の通りにしています
仮受消費税 / 仮払消費税
/ 未払消費税
/ 雑収入
なので、数字が変わるのは仮払消費税と雑収入が変わると思うのですが、この場合において修正申告は必要となるのでしょうか?
もし、修正申告が必要な時は消費税と法人税も修正申告が必要なのでしょうか?
よろしくお願いします
税理士の回答

狩野正之
消費税の修正申告の必要はありません。
税抜き経理をしているのであれば、法人税についても同様です。
(消費税)
簡易課税制度は、売上げに係る消費税額を基礎として仕入れに係る消費税額を算出することができる制度です。
売上げに係る消費税額に、事業の種類の区分に応じて定められた「みなし仕入率」を乗じた金額を仕入れに係る消費税額として、売上げに係る消費税額から控除することになります。
実際に支払った消費税額ではなく、「みなし仕入れ率」で計算した金額を控除することになります。例えば、小売業であれば「みなし仕入れ率」は80%です。
したがって、法人の仮払消費税にかかる仕訳を間違ったとしても、申告する消費税には影響が出ませんので、修正申告は不要となります。
(法人税)
簡易課税制度を適用している方の仕入控除税額は、簡易課税制度による申告税額と、仮受消費税の合計額から仮払消費税の合計額を差し引いた額とに差額が生じることがほとんどです。
この場合には、法人においては、その差額をその課税期間を含む事業年度の益金又は損金に算入します。
ご質問のケースでは、誤った仮払消費税と同額の軽油税が少なく計上されることで営業利益が多くなっていました。また、同額の仮払消費税が多く計上されていたことから仮受消費税と仮払消費税の消費税差額も同額少なくなり、消費税申告額との差額も少なくなることで雑益計上額も同額少なくなっていました。
費用が少なく計上されていましたが、消費税申告額と消費税差額との差額(簡易課税の場合は益金計上がほとんど)も同額少なく計上されていたことになります。
したがって、所得金額への影響はありませんので、修正申告は不要です。
本投稿は、2021年10月26日 18時54分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。