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現物出資が絡んだ会社設立に関して

はじめまして。現物出資が絡んだ会社設立に関して質問させてください。

当方、6年前に役員1人で設立した法人(資本金120万のウェブシステム開発会社。以下M社といいます)があります。

2年前より、ある業界向けにサービスを提供しようと、システムを開発してまいりました。

そこで、事業拡大を目指し、出資者を仰いだところ、事業計画に賛同いただき、複数名の方から出資の約束を取るところまで着ました。

現在の出資予定額は

私 500万円
Aさん 500万円
Bさん 300万円
Cさん 100万円
Dさん 100万円
Eさん 50万円

の計、1550万円(うち私が500万円)です。

この度の事業計画、新たに会社を設立しようと考えているのですが、単純に私も含めた出資額だけを見ると、32%強の株主割合でしかありません。

と、ここで質問なのですが、この2年間、開発してきたシステムを現物出資として資本に計上したいと思うのですが、この手の現物出資は可能なのでしょうか?

「システム」と曖昧な表現をしていますが、こちらの「税理士ドットコム」さんのウェブ媒体同様のもとなっており、そのシステムがなければサービスは成立せず、そのシステムの利用料によって事業が形成される内容です。

では、その肝心な価格ですが、自社の見積もりや(この手のシステムを開発している事業をしている)、同業他社の相場観からして、2000万円前後になろうかとイメージしています。

この金額が証明されれば、先の出資金額を重ねると


M社 2000万円(私が設立した会社)
私 500万円
Aさん 500万円
Bさん 300万円
Cさん 100万円
Dさん 100万円
Eさん 50万円

と、素人ながらに考えています。(こうすることで結果的に私の権限が大きく保たれる)


以上ですが、改めて質問をさせて頂くと、

1.この私が考えた出資比率は可能でしょうか?

2.この上記のような現物出資は可能でしょうか?またその証明にはどのような書類が必要で、費用はどれくらいになりますでしょうか?

3.上記のような株主割合のもと、新たな会社を作ることのデメリットはどういったところにあるでしょうか?


以上、説明が不十分なところもあるかと思いますが、アドバイスのほど頂戴できれば幸いです。
お忙しい中恐縮ですが、よろしくお願い申し上げます。

税理士の回答

事業拡張とのことおめでとうございます。

1)現物出資について
現物出資は法人でもすることができます。ですので、M社を発起人に組み入れることにより、「システム」が化体した有価証券も出資財産として組み入れることが可能です。

2)500万円を超える現物出資
500万円を超える現物出資には、検査役という、評価額が妥当であることの証明が必要になります。検査役による調査に替えて、現物出資財産等について定款に記載され、又は記録された価額が相当であることについて弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明でも可能です。
評価証明の費用については何とも言えないところがありますが、50万円程度かと思います(状況がわからないと確定的なことは申し上げられませんが…)。

3)デメリット
①「システム」の評価が2000万円ということが、他の出資者が納得すれば、問題にはなりませんが、金銭以外の出資という目に見えにくい資産ですので、他の出資者との間で「評価」について、意見の食い違いが生じる可能性が想定されます。
②おそらく税制適格にはならないので、現物出資をした場合、M社への当初出資額と2000万円との差額に約20%の課税がされると思います。ただし一方、対価は新会社の株式取得になりますので納税資金がないという問題が発生します。
③おっしゃっていただいた方法ですと、新会社とM社とが親子会社の関係になるので、新会社設立以後のシステム使用に関して別途契約書を締結する必要があります。また、M社と新会社でそれぞれ残存するため、申告が必要になる煩わしさは残ってしまいます。
④親子会社間取引の処理金額の妥当性について、新会社の別の株主がクレームをつける可能性もあります。
⑤会社設立時の資本金が1000万円以上になりますので、初年度から消費税の課税事業者となります。

話が小難しくなってしまいましたが、どうかよろしくお願いします。

伊香賀照宏先生

はじめまして。この度は貴重なアドバイスをありがとうございます。
初めてのことなので、このようにお返事頂けること、大変ありがたく思っております。

申し訳ありませんが、今一度ご質問させてください。

1.現物出資の評価に関してですが、その金額は、他の出資者の理解は勿論ながら、私の主張だけで通るとは思っておりませんが、M社が制作したソフトウェアの場合、評価において通常どのよう資料が必要となるのでしょうか?

2.「デメリット」としてあげて頂いた、②の「おそらく税制適用にならないので・・・」の部分ですが、もう少し詳しく教えて頂けますでしょうか?

3.この度、新会社を作ることを前提でご質問させて頂きましたが、既存の会社に増資ということも考えております。その際、システムに当たる2000万相当をどうするか?と考えたとき、その金額相当分、企業価値が高まったことと見立て、現在の発行済み株式数120株なので1株辺りの金額を17000円程度であると想定し、仮に1700万円の増資の場合は、全株式の45.9%(2000万+1700万=計3700万のうちの1700万)となる。
このような計算をイメージしているのですが、これら計算に無理は出てきますでしょうか?こちらに関しての、メリット、デメリットをアドバイス頂けると助かります。

現在、お世話になっている税理士の先生は専門外のようなので、これもご縁ということ考え御事務所へお願いしたいとは思うものの、事前にある程度の具体的なイメージを持っていたいとの考えての質問です。

お忙しい中恐縮ですが、引き続きアドバイスのほど頂戴できれば幸いです。
よろしくお願い申し上げます。

追加質問ありがとうございます。

1.ソフトウェアの評価
こちらは状況によって変わりますが、一般的には
・法人の過去の決算書&申告書3期分
・売却対象ソフトウェアの売上と原価(損益構造が分かるもの)
・今後の将来予測PL の3つとなります。

そもそもソフトウェアの評価方法は、大きく大別すると
①収益アプローチ…今、利益が上がっていて、今後の収益予測も見積もることができる場合の方法
②マーケットアプローチ…市場相場があり、市場価格が分かる場合の方法
③コストアプローチ…①と②の状況にはなく、過去の投資コストから見積もる方法
のいずれか、またはミックスにより算定します。

投資家側として、「ある程度」納得感があるのは、①収益アプローチです。
これは、②マーケットアプローチはそもそも市場価値といえるものがあるのはレアケースであり、③コストアプローチはコストをかけたからと言って将来投資が回収できるのか?不透明であるためです。
将来見積りはわからないところもあるので、交渉の中である程度、エイヤ!で決めてしまう世界になります。Googleがyoutubeを売上高の100倍、2000億円で買収したというのも、このソフトウェア評価の難しさではあるかと思います。

(1000文字制限のため続きます)

(続きになります)
2.税制適格の部分
大変失礼しました。説明が複雑になるので端折ってしまいました。
現物出資は、税務上の考え方としては、「通常株式を一度売却/換金し、その後、換金した現金を新会社に出資した」というカタチを擬制することになります。
擬制するだけなので、株式のみで現金はないにも関わらず、納税義務は生じる結果になります。
ただし、例外的に、一定の要件を満たした場合には、投資が継続したとして、売却の擬制にはなりません。
一定の要件とは、
1 現物出資事業に係る主要な資産及び負債の移転要件(法法2十二の十四ロ(1))
2 従業者の引継ぎ要件(法法2十二の十四ロ(2))
3 事業継続要件(法法2十二の十四ロ(3))
と…簡単には、支配が継続しているということで、要件に当てはめて検討する必要があるのですが、当初ご相談いただいたスキームは一般的に聞いたことはなかったため、
原則に立ち戻り「おそらく税制適格にはならない…」という表現を致しました。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hojin/33/13.htm
http://www2.deloitte.com/jp/ja/pages/tax/articles/rt/tax-qualified-investment-in-kind.html


3.既存会社への増資
むしろこちらの方が一般的ではあります。
計算の前提があるかと思いますが、おそらく増資後の社長様の持ち分は、(2000万円+500万円)÷3,700万円=67%を維持できるかと思います。
(メリット)
一般的な手法であり、理解を得やすい。
(デメリット)
他の出資株主が、特定のシステムだけに魅力を感じ、出資をしたいと考えている場合に、M社の他の事業についても投資することになってしまう
→これが決定的に問題であれば会社分割という方法もあります。

上記の他、株式評価額が2000万円であることの主張は、依然として残っております。


今回も難しくしてしまいましたが、どうかよろしくお願いします。

お世話になっております。
外出からの御礼、失礼いたします。

お忙しい中、詳細なお返事、頭がさがる思いでいっぱいです。ありがとうございます。

外出中ではありますが、取り急ぎ御礼申し上げたく返答いたします。

ありがとうございました。
時期みて事務所へご連絡いたします。
引き続き、よろしくお願いいたします。

丁寧なご連絡、誠にどうもありがとうございます。
ご不明な点等ございましたら、ご質問頂ければ幸いでございます。

本投稿は、2016年04月09日 02時05分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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