外注費について
現在親の会社でパートとして働いてます。結婚して世帯は別です。今後、私がパートを抜けて個人事業主として働く場合、親の会社から業務委託として仕事を請け負うことはできますか?
親の会社で外注費として処理したいと思ってます。
仕事内容はデータ入力です。よろしくお願いいたします。
税理士の回答

石割由紀人
このケースでは、税務上の外注費として認められるかどうかを慎重に判断する必要があります。外注費として認められるためには、以下のポイントを考慮する必要があります。
1. 業務の実態
指揮命令関係の有無: 親の会社からの指揮命令を受けて業務を行うのではなく、独立した事業者として自分の判断で仕事を進める必要があります。
時間的・場所的拘束性の有無: 親の会社の就業時間や場所に縛られず、自分の裁量で仕事をする必要があります。
代替性の有無: 自分以外の人が代わりに業務を遂行できるかどうかも重要です。
業務遂行に必要な費用負担: データ入力に必要なパソコンやソフトウェア、通信費などを自分で負担する必要があります。
2. 契約内容
業務委託契約書の作成: 親の会社との間で、業務内容、報酬、契約期間などを明確に記載した業務委託契約書を作成する必要があります。
報酬の決定方法: 時間給ではなく、成果物に対して報酬を支払う形にするのが望ましいです。
3. 税務上のリスク
税務調査で、外注費ではなく給与と判断されるリスクがあります。給与と判断された場合、親の会社は源泉徴収義務が発生し、社会保険料の負担も生じる可能性があります。また、あなたの側でも、所得税の計算方法が変わる可能性があります。
4. 類似の判例・裁決事例
過去の判例や裁決事例では、親子間や親族間の取引について、税務署がより厳しく判断する傾向があります。業務の実態や契約内容を明確にし、外注費として認められるようにする必要があります。
5. 具体的な対策
業務委託契約書: 契約書を作成し、業務内容、報酬、責任範囲などを明確に記載する。
請求書・領収書: 毎月、請求書を発行し、親の会社から領収書を受け取る。
業務日誌: 業務内容、作業時間、成果などを記録する業務日誌を作成する。
事業所得としての申告: 確定申告の際、事業所得として申告する。
6. 留意点
社会保険: パートを辞めて個人事業主になることで、社会保険(健康保険・厚生年金)の加入状況が変わる可能性があります。国民健康保険・国民年金への加入が必要になる場合がありますので、事前に確認してください。
税務署への相談: 不安な場合は、税務署や税理士に相談することをおすすめします。
結論
親の会社から業務委託として仕事を受けること自体は可能ですが、税務上のリスクを考慮し、外注費として認められるように、業務の実態や契約内容を明確にする必要があります。
本投稿は、2025年02月17日 16時48分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。