青色専従者から個人事業主になることは可能でしょうか?
現在夫婦2人で美容室を経営してます。
もともと個人事業主として各自働いていた為お店を開業した後に主人の個人事業主の青色専従者に変更して確定申告をしていました。
この状態からまた個人事業主として開業して夫婦2人とも個人事業主として確定申告することはできますでしょうか?その際経費等気をつけることはありますか?
個人事業主にしたい理由として2人で1000万以上の売り上げになるため各自の売上として確定申告したいことと今後副業として新しい事業をしていきたいと考えていた時に青色専従者のまま開業できるのかが疑問で質問させていただきました。
税理士の回答

佐藤和樹
1. 夫婦それぞれが個人事業主になることは可能?
→ 可能です。
ただし、お二人が別々の事業を行っている、または共同経営であっても売上や業務内容が明確に分けられている必要があります。
• たとえば:
• 店舗は同じでも、ご主人はカット・カラー中心、あなたはヘアセット・メイク・ネイル等別サービスに特化している
• 顧客の管理・会計・仕入れなども可能な限り別々にしている
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2. 事業を分ける際に必要なこと
• それぞれ開業届を提出すること
• 売上・経費・口座・レジ管理などを分けて記帳すること
• 請求書・領収書等も事業者名を分けて発行・受領すること
• 広告やHPなどでも、事業者名義・内容を分けて表示しているのが望ましい
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3. 経費で気をつける点
共通の店舗や設備を使う場合は、経費を明確に按分(分ける)する必要があります。
• 家賃・水道光熱費・備品など、共通部分は合理的な割合で分ける
• 例:売上比・面積比・使用時間比など
• 分けられない経費はどちらか一方でのみ経費に計上する
• レシートも誰の経費か明確にしておく
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4. 青色専従者と副業の関係について
青色専従者のまま新たに開業することは、基本的にできません。
青色専従者は、「その事業専従で、他の仕事をしていない」ことが条件です。
したがって、副業や他事業を行うのであれば、青色専従者はやめて、独立した個人事業主になる必要があります。
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5. 売上分散の効果
ご相談のように、合計売上が1,000万円を超えて消費税の課税事業者になることを避ける目的がある場合もあるかと思いますが、実態が分離していないと「形式的な分割」と見なされるリスクがあります(いわゆる「一体事業」判定)。
そのため、あくまで実態に沿って分けている必要があります。
ご回答ありがとうございます。
業務内容が2人ともカット、カラー中心になると個人事業主は難しいのですね
4の青色専従者のまま美容業務をしているのにカラー専門店を出店してそちらは出勤せずオーナーとして出す場合でも青色専従者のままではできないでしょうか?

佐藤和樹
■1. 青色専従者の要件(所得税法施行令第6条)
青色専従者として給与を受けるには、次の条件を満たす必要があります。
• 生計を一にする親族であること
• その年の12月31日時点で15歳以上であること
• 年間を通じて、その青色申告者の事業に専ら従事していること(=他の仕事をしていない)
この「専ら従事」の要件が重要です。
■2. オーナー業(出勤せず、収益のみ得る)の取り扱い
「自分は店に出勤せず、スタッフに任せてカラー専門店を運営する」という場合でも、以下のような解釈になります。
• 店舗を出店し、売上を得る構造を作っている時点で、新たな事業活動を開始しているとみなされる可能性が高いです。
• たとえ実務に関与せず、報酬を取っていなくても、収益を得る目的で資本を出し、事業的リスクを負っているならば、「他の事業をしていない」とは言えません。
したがって、このようなオーナーとしての立場は、税務上「他の事業をしている」と判断される可能性が高く、青色専従者の資格要件を満たさなくなるおそれがあります。
■3. 実務上のリスク
• 税務署に事業開始届を出さなかったとしても、確定申告などで複数の収入源(例:事業所得・不動産所得など)が見つかれば、青色専従者給与が否認される可能性があります。
• 青色専従者給与が否認されると、全額が必要経費から除外され、所得税・住民税が大幅に増加するリスクがあります。
■4. 例外的な取り扱いについて
例えば、一時的な資産運用や家賃収入のみで、実質的に事業性がない場合は「専従」とみなされるケースもありますが、店舗経営や雇用を伴う形態では、ほとんどが「他の事業」とみなされます。
本投稿は、2025年03月26日 21時50分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。