常勤の大学教員:個人事業主としての青色申告について
私は現在、常勤の大学教員で、年収は900万円ほどあります。今年、個人事業主の申請を行いました(アカデミックサポート:講演やweb販売などを通し、様々な学術支援を行う事業)。現在、大学の収入のほかに、①文科省の研究員の給与(10万×12ヶ月=年120万程度,給与扱い)、②他大の非常勤講師(3万×6ヶ月=年18万程度,給与扱い)、③高校生を対象とした作問(振込不定期・年間70万程度, 謝金扱い・契約期間は来年度末まで・大学も了承済み)、⑤講演料(不定期・今年は現在まで4回ほど・8万程度)があります。このうち、③と④は個人事業主の仕事の範疇と考え、次回青色申告を行おうと考えております。残念ながら、並行して行っているwebページ作製代行や画像販売の活動は芳しくなく、現時点でこちらの収益はほとんどありません(2000円くらいです)。このままですと、③と④だけの収益で申告となりそうなのです。しかしその場合、税務署側から③と④は雑所得ではないか?と指摘が来るのを少し心配しております。個人的には③と④だけの収益であっても、個人事業主の業務として説明することはできるよう準備はしているのですが、税務署側と揉めるのも嫌だな、そうであれば今年の申告は見送ろうかと考えているのですが、見送った方が無難でしょうか?
税理士の回答
文面から分かる範囲内でお答えいたします。
この場合、③、④とWeb事業の所得について事業所得または雑所得として申告する必要があります。①、②は給与所得としての申告になります。
問題は事業所得か雑所得ですが、トータルの収入の規模から私は事業所得に当たるのではないかと思います。いくら以上なら事業所得という明確な基準がないため、規模などで判断する以外ありません。
また、税務署と揉めるのが嫌でしたら、税務署に相談されるのも一つの手です。先方は親切に相談に応じていただけます。
ご参考になれば幸いです。
事業所得か雑所得の分類は難しいところですが、大学教員として講演を行う場合には、雑所得と見做す判例が多いようです。事業として行うWeb販売と高校生を対象として作問がどの程度関連性があるかわかりませんが、以前から継続して行っていたものでしょうか?今回事業を興されたものと関係なく大学教員としていままでもあったものだとすると雑所得と見做される可能性も多いかもしれません。事業所得とする場合には、その関連性を説明する必要があると解します。
中川先生
ご回答とアドバイス、大変ありがとうございます。事業所得としての規模を満たしているかもしれないというご意見、参考にさせて頂きます。また、税務署への相談も前向きに考えてみます。
今後とも宜しくお願いいたします。
門田先生
ご指摘ありがとうございます。事業としてのweb販売は今年度から始めました。高校生を対象として作問は昨年度から始まりまして、3年間という契約で引き受けました(来年度で終了)。
時間的な流れでご説明いたしますと、②は3年くらい前から行っていましたが、20万に満たなかったため、当初は確定申告を行っていませんでいた。しかし、一昨年から、①の給与が入ることになりまして、確定申告をするようになりました。そうしたら、昨年度から、③の高校生を対象とした作問の依頼がありまして、この分も含めて人生2回目の確定申告を昨年度行いました(二回ともe-taxです)。確定申告初心者という事もあり、昨年度は誤って③を給与所得として申告してしまっていました。良く考えると、これは雑所得として申告すべきであったと考えております。
講演の件ですが、講演を行ったもののうち、自分が行った講演の特性から"教育的なもの"と"事業性の高いもの"の二種類に分けて考えています。前者は雑所得、後者は事業所得として考えています。実は、現在ベンチャー設立を考えておりまして、大学の技術の社会還元をサポートするベンチャー、さらに、自分のラボで見出した技術を社会還元するためのベンチャーの起業を検討しています。今年度の講演は、後者の私の研究室で見出した技術に関する講演をが主なもので、これは、大学のいわゆる教育的な講演とは異なるものでして、聴衆は企業の開発部門や営業部門の方を対象としたものです。この種の講演は個人事業主としての私の活動の範疇として考えております。また、講演ではなく、営業という形でコンタクトした企業に訪問する活動も行っております。
今年度から申請した個人事業主ですが、上記ベンチャーを設立するための資金作りを目標にしています。今のところ、個人事業主としての事業の幅は広く設定しておりまして、とりあえず、副業で得た収入を資金として活かし、個人事業主としてもう少し経験を積み、資金を増やすことで次のベンチャー起業の資本金獲得ににつなげたいと考えています。①、③の副収入は来年度で終了してしまうので、その前に別の事業で定期的な収入を獲得できるようにしたいと考えております。私の中で来年度もweb販売の業績が芳しくなければ、自分には商才無いと判断し、個人事業主は来年度末に畳むべきと考えております。
説明が長くなってしまいました。申し訳ありません。
先生のご指摘の中にございました「事業として行うWeb販売と高校生を対象として作問がどの程度関連性あるのか」、は実は前々から気にしておりました。私の場合、関連性があると考えてはおりますが、人よっては納得してもらえない部分もでてくるかもしれません。質問になりますが、例えば、そういうケースの場合、もう一度、別の業務内容の個人事業主を申請すべきなのでしょうか?つまり、一人で関連性の低い事業を複数行う場合、それぞれの事業の個人事業主の登録が必要か?という質問になります。個人事業主の活動を進めているときに、全く別のビジネスチャンスが出てくることも多々あるかと思います。このようなケースに遭遇した個人事業主の皆さんは、どのように対応されているのでしょうか。
長文、大変申し訳ございません。
個人事業主の場合、登記の必要もありません。税務署には事業変更の届け出を行うことは可能です。相談者様の場合、大学の教員として受注可能な事業と、今般相談者様で設立して事業にて受注できる事業を分ける必要があると思います。ただ事業と大学教員として受注できる仕事ですが、教員としての地位がなくなれば、事業所得といえる部分が多くなると思います。教員の地位を存続する場合でであれば、継続する類似受注に関しては雑所得と見做されないよう理論武装が必要です。逆に全く別のビジネスチャンスであれば、税務署に事業変更を届け出ればいいので簡単に解決します。さらに質問があればお気軽にお願いします。
事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反覆継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいう。(最高裁判決56.4.24)
大学教員の給与収入が主で生活の根幹とすれば、他の副業は、雑所得に該当すると思います。
本投稿は、2018年08月12日 20時58分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







