個人事業主として、米国から日本源泉所得を得る際の税金に関する質問
現在米国に居住者として住んでいますが、個人事業主(フリーランス)として、日本の企業から収入を得ることになり、日本国内での源泉徴収も受けます。
米国は居住者である限り、国外の収入も米国内で申告する必要があると聞いており米国で税金を払うつもりですが、この場合、日本では国内の税金対策として開業届け、青色申告の申請をすべきなのかどうかわからずにいます。
アドバイスを頂けましたら幸いです。
宜しくお願いいたします。
税理士の回答

非居住者の方が日本国内にて事業を行う場合、
原則、日本に恒久的施設(支店等)がない場合は、日本において確定申告義務はありませんので、「個人の開業届出等」の提出は必要ありません。
ただし、不動産の賃貸等を継続的にされる場合等には、「個人の開業届出書」や「青色申告承認申請書」、「納税管理人」の届出書が必要となってきます。
非居住者の方が、日本国内に発生源泉がある所得(国内源泉所得)のみが、日本において課税対象とされます。
そして、その所得の内容によって、課税等が不要、総合課税(確定申告)、源泉徴収の上総合課税、源泉徴収のみ(源泉分離課税)などに分かれます。
日本の企業から受ける所得で「源泉徴収」が発生する主なものは、
不動産の売買・賃貸
給与等・人的役務の提供に対する報酬等
人的役務の提供事業
著作権・工業使用権等の譲渡、使用料
利子・配当
などがあります。(他は割愛します)
給与等に関しては、日本企業の「役員報酬」以外で、日本国内での勤務がない場合には、源泉徴収が不要となります。(役員報酬は課税されます。)
著作権等の譲渡、使用料は、日米租税条約で免税となります。
この場合は「租税条約の届出書」に「特典条項の付表」「居住者証明書」を添付し、報酬の支払前に支払者である企業を通じて税務署に提出する必要があります。
まずは、貴方が日本の企業から受ける収入(所得)が、どの所得に該当するか確認されたほうがよろしいと思います。
国税庁HP「源泉徴収のあらまし」に表が掲載されていますので参考にしてください。(PDF のP270)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2018/pdf/12.pdf
また、より詳しく説明も参考にしてください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2878.htm
租税条約の届出書関係の説明です。参考にしてください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2888.htm
米森様
質問にて十分な情報を提示していない中、収入発生源ごとに詳しくご説明頂き、有難うございます。
参考資料も添付して頂き、大変分かりやすく分からなかった事がすっきりしました。
私自身の場合、日本国内の源泉徴収の対象でない事が分かりましたので企業側と交渉したいと思います。

ベストアンサーをありがとうございます。
念のため、企業側が「源泉徴収」した理由をご確認ください。
① 日本の居住者との認識で「報酬・料金等」に該当するとして、源泉徴収したのか。
② 非居住者の「国内源泉所得」に該当するが、租税条約の届出書等の提出がないため源泉徴収したのか。
①と②でが、源泉徴収された所得税の還付の手続きが異なります。

追加説明です。
非居住者として日本で正しく課税を受けた場合には、米国においても課税となり「二重課税」となるため、日本の所得税に関しては米国の申告時に「外国税額控除」の対象になります。
源泉徴収された所得税に関しては「納税証明書」が発行されますので念のため説明いたしました。
本投稿は、2019年05月17日 06時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。