開業届と廃業届について
わたしは専業主婦で、委託での仕事を始めたのですが、個人事業主になっても扶養範囲の130万円以内でおさめておけば扶養から外れる必要がないと思っていたので、委託で仕事がコンスタントに入ってくるという想定で5月に開業届をだしました。が、主人の会社の健康保険組合では個人事業主になった場合は稼ぎがいくらであっても被扶養者としての扱いが出来ず、国保への切り替えをしなければならないという話があり、扶養をぬけてまでという思いから廃業届を出そうと考えています。こういう場合の廃業届をだすタイミングや、なにか気を付けておかなければならないことがあれば知りたいです。どうぞよろしくお願い致します。
税理士の回答

土師弘之
「個人事業の開業・廃業等届出書」は、新たに事業所得、不動産所得又は山林所得を生ずべき事業の開始等した場合に提出します。
扶養範囲130万円以内というスタンスであれば、「事業所得」ではなく「雑所得」に該当するのではと思われます。
この場合には「開業届」を提出する必要はなかったということになりますので、税務署に取下げを依頼することになります。「廃業届」だと、事業所得を生ずる事業を行っている期間が残ってしまします。
「開業届の取下げ書」を提出することで対応できます。
土師先生
お返事ありがとうございました。
税務署へ開業届の取下書を提出すれば、開業前の状況に戻るという理解でよろしかったでしょうか。今年の5月に提出した開業届を取下げる場合に何か必要なもの、気を付けたほうが良いことなどあれば教えて頂けますと幸いです。よろしくお願い致します。

土師弘之
これまで「事業所得」で申告していた(「雑所得」でない)のなら、取下げの際に税務署に説明が必要な場合があります。
取下げの手続きには5月に提出した「開業届」の控えを添付する必要があります。
土師先生
事業所得と雑所得の違いはどういったところで判断するのでしょうか。開業届を出した際には企業からの業務委託での契約で事業所得とされたのですが、雑所得となるとどういった業務があげられるのでしょうか。

土師弘之
事業所得の判断基準としては、一般的に以下のような点があげられます。
・営利性と有償性があること。→ 趣味ではない。
・反復して継続的に遂行する意思があること。→ たまたま儲けたのではない、事業拡大意欲がある。
・自己の計算と危険において独立して営まれていること。→ 給与ではない。
・精神的・肉体的労力の程度 → 片手間ではなく本業としてやっている。
・継続して安定した収益を得られること。
これらを考慮すると、事業所得となる事業とは、本人が専業として生計を立てるための主な収入源としてやっており、収益規模や継続性の有無などの面からみて社会通念上の事業性があると見なされる必要があります。「企業からの業務委託」だからといって事業所得になると限りません。生活の足しにする内職的なものも業務委託としてあります。
収入を130万円以下に抑えようとすることは、事業を拡大することや多額に儲けることを目的としているとは思えませんし、事業を行っていることを大々的に宣伝していないと思われます。これらを「事業的規模」といいます。
「雑所得」は、「事業所得」「不動産所得」「譲渡所得」などの定義された所得以外の所得をいいますので、「事業所得」に該当しなければ「雑所得」になります。
土師先生
お返事ありがとうございます。
理解できました。来週早々税務署のほうへ取り下げをしに行ってこようと思います。
ありがとうございました。
ちなみに、なんでも聞いてみるのですが、取り下げが出来ないというケースもあるのでしょうか?

土師弘之
事業所得に該当しなければ取下げできます。
税務署で、5月に開業届をだした際に自分の理解不足で開業届をだした旨伝え、事業所得に該当するかの認識ができていなかったと伝え取り下げしてもらえないか聞いてみます。
本投稿は、2021年10月22日 09時37分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。