扶養控除(異動)等申告書を2ヶ所で提出してしまった。
大学生です。扶養控除(異動)等申告書を2つのバイト先に提出してしまいました。
既にバイトを2つかけ持ちしていました。そのうち1つには扶養控除の申告書を今年の初めに出しましたが、さらに今年もう1つバイトを始め、その会社にも同じ申告書を提出してしまいました。複数のバイトを掛け持ちする場合は、どこか1つにしか申告出来ないと認識していますが、もし2つのバイト先に申告してしまった場合は何か違法になりますか?確定申告をすれば大丈夫ですか?
税理士の回答

1.扶養控除等申告書は、1か所にしか提出できないルールになっています。
2.2か所目に提出されたのであれば、至急に取下げれば問題はありません。2か所においては、本来であれば乙蘭(高い所得税)で所得税が控除されなければなりません。そして翌年に確定申告をすれば所得税は精算されます。
3.2か所目でも甲蘭で所得税が控除されていますので、経理担当者と今までの所得税についての修正について相談されることをお勧めします。

山内裕司
確定申告すれば所得税は精算されますが、それと扶養控除等申告書の二重提出は別問題です。従たるバイト先に連絡をして扶養控除等申告書を無効にしてください。

中島吉央
従たるバイト先に連絡して、今までの源泉所得税の不足分を追加支払をしてください。なお、確定申告で帳尻を合わすという考え方はよろしくないと思われます。
所得税法上、源泉所得税については、徴収・納付の義務を負う者は源泉徴収の対象となるべき所得の支払者(バイト先)とされ、その納税義務は、当該所得の受給者(質問者さん)に係る申告所得税の納税義務とは別個のものとして成立、確定し、これと並存するものであり、そして、源泉所得税の徴収・納付に不足がある場合には、不足分について、税務署長は源泉徴収義務者たる支払者から徴収し(所得税法221条)、支払者は源泉納税義務者たる受給者に対して求償すべきものとされています(同法222条)。
つまり、源泉所得税と申告所得税との各租税債務の間には同一性がなく、源泉所得税の納税に関しては、国と法律関係を有するのは支払者(バイト先)のみで、受給者(質問者さん)との間には直接の法律関係を生じないものとされています。
よって、支払者(バイト先)がした所得税の源泉徴収に誤りがあるような場合には、受給者(質問者さん)による所得税の確定申告の手続においてでは、精算できないと解するのが相当と思えます。
外部リンク先 裁判所「最高裁判所平成4年2月18日第三小法廷判決・民集46巻2号77頁」
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/477/052477_hanrei.pdf
すいません、何もよく分かってない私が悪いのですが、とりあえず2つ目に提出したバイト先の店長に連絡をして取り下げてもらえるか聞いてみます。で、いいのでしょうか?まずやるべき事はそれで合ってますか?

中島吉央
まず、やるべきことはそれであっています。なお、私がリンクしたものは、判例とよばれるものですが、実際の実務は、そこまで難しく考える必要がないと思います。税務署側と実際のガチンコの争いまで発展することは、まずないからです。
ありがとうございました。まずは連絡してみます。ちなみに、無いとは思うのですが、どちらのバイト先でも取り下げが上手くいかなかった場合はどうなりますか?

中島吉央
取り下げがうまく行かないということはまずありえないです。甲欄でなく乙欄で所得税を源泉徴収しなくてはいけないのに、甲欄の金額のまま源泉徴収し続けることは質問者さんではなくバイト先にリスクがあるからです。
本投稿は、2019年09月08日 19時13分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。