売買契約書と領収書紛失後の取得費について
25年前に買った土地の売買契約書と領収書を紛失しました。このような場合、この土地を譲渡する際の取得費は譲渡価額の5%になると聞きます。しかし、これでは実際に買った額の10分の1にもならず納得できません。いろいろと思案する中で①購入時の売り主に領収書の再発行を依頼する②日本不動産研究所発行の土地価額推移率を利用して取得額を試算する、の二案を考えてみました。とは言っても、税務署がこれをすんなり認めるかというと確信は持てません。このことについてご教示をお願いします。また、この二案の他に何かいい方法はありましょうか。なお、登記簿謄本は持っています。よろしくお願いします。
税理士の回答

登記簿謄本でご相談者様が購入された時期と購入相手が確認できますので、当時の売主さんに領収書を再発行して頂くのがベストな方法かと思います。
万一、領収書の再発行が困難な場合には、一般社団法人日本不動産研究所が公表している「市街地価格指数」を基に推定計算する方法があります。これは、平成12年3月末が「100」の指数になっており、ご相談者様が購入された時期の指数と、売却時の指数の比率を基に、取得価額を推定計算する方法で、国税不服審判所でも合理的な算出方法の一つと判断されております。
地方の農地等ですとこの方法での算定は難しい点がありますが、通常の住宅地等であれば合理的な方法として認めてもらえるものと考えます。弊社のお客様でもこの方法を採用して譲渡所得の申告をした方が多数いらっしゃいます。
ご参考になれば幸いです。
早速ご回答いただき有り難うございます。当方の年齢を考慮し5年以内の譲渡を考えています折り、大変元気づけられました。ご回答の後すぐ売り主のご健在を確認しましたところ、既にお亡くなりになっていて、その方の奥様と長男が相続されているようでございます。このような場合、奥様とご長男に依頼しての領収書の再発行は無意味なのでしょうか。依頼すれば多分書いていただけると確信しているのですが。再度のお尋ねで恐縮ですがよろしくお願いいたします。

当時の売主さんがお亡くなりになっている場合には、その法定相続人(ご質問文では奥様とご長男)が相続されて登記簿謄本の名義もその方々に変わっていると思います。
そして、相続の場合には亡くなった方の「取得日」と「取得価額」を引き継ぐことになりますので、ご相続人の方に領収書を再発行して頂くことでも実務的には対応可能かと考えます。
例えば、次のような領収書を書いて頂いてはどうでしょうか。(発行日は実際の作成日で結構です。)
ご相談者様
領収金額:◯◯◯◯円
平成○年○月◯日に****の土地売買代金として受領いたしました。
住所:*********
氏名:亡◯◯◯◯ の相続人◯◯◯◯(奥様)、同◯◯◯◯(ご長男)
なお、先方様が当時の売買契約書をお持ちであれば、そのコピーを頂くことが宜しいと思います。当時の契約書コピーも取得価額の証明になります。
ご参考になれば幸いです。
再度のご回答有り難うございます。少し分からないところがあります。領収書のお手本の3行目の年月日は何時の時点の日付にしたらよろしいでしょうか。また、領収書に再発行の文字は必要ないのでしょうか。記載する必要があるとすればどのように表現するのがよろしいでしょうか。何度もお手数かけますがよろしくお願いいたします。

ご連絡ありがとうございます。
3行目の年月日は25年前の実際に土地代金の支払いをした日になります。なお、領収書の発行日は、実際に領収書を書いて頂く年月日になります。
以前に領収書を発行して頂いているとすれば、再発行の文字を入れて頂いても構いません。その場合には余白に【再発行】と記して頂ければ宜しいと思います。(再発行の記載がなくても別段問題にはなりません。)
宜しくお願いします。
有り難うございます。早速相続されたご長男にお願いしてみます。承諾していただけるといいのですが。
相続された方に領収書の再発行をお願いしましたが了承していただけませんでした。当方のお願いの仕方がまずかったのかもしれません。将来、譲渡する際には少々不安ではありますが日本不動産研究所の指数により取得費を推定して申告することになると思います。先生には懇切丁寧にご教示いただき感謝いたしております。有り難うございました。
本投稿は、2015年06月07日 11時06分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。