Paypalで得た収入(外貨)を日本円に換金せず消耗品を購入した場合の仕訳について
海外からの外貨収入を、外貨のまま経費支払いに使用した際の仕訳を教えていただきたいです。
海外の企業と取引をしていて、企業からの収入をPaypalで受け取っています。先日、外貨のまま消耗品を購入してしまい、仕訳が複雑になってしまいました。
仕訳をしてみたのですが、下記の仕訳だと借方/貸方で売掛金が合致しません。
どのような仕訳が正しいのかわからないので、教えていただきたいです。
(※各日の為替レートで日本円に換算しています。)
■6/29:海外企業へ売上請求
売掛金 59,000/売上高 59,000
■7/25:上記請求分がPaypalに入金あり
ドルで入金し、そのままなので仕訳なし
■7/31:Paypalから外貨のまま備品を購入
消耗品 25,001/事業主借 25,001
■8/26: 海外企業へ売上請求
売掛金 28,848/売上高 28,848
■9/12:上記請求分がPaypalに入金あり
ドルで入金し、そのままなので仕訳なし
■9/13 Paypalから日本の銀行口座へ、日本円に換金して振り込み(7/25と9/12に入金した合計)
事業主借 55,495/売掛金 59,075
為替差損 3,580
税理士の回答

石割由紀人
外貨を使用した取引は、為替レートの影響を考慮した仕訳が必要です。特に、外貨で経費を支払った場合、その支払い時点での為替レートで金額を日本円に換算して仕訳を記録します。以下に正しい仕訳例を示します。
修正後の仕訳例
1. 6/29
海外企業への売上請求
(そのまま)
借方:売掛金 59,000
貸方:売上高 59,000
2. 7/25
Paypalに外貨で入金
外貨建ての売掛金を消し、Paypal残高(外貨)を記録します。
借方:Paypal(外貨) 59,000(相当額を円換算)
貸方:売掛金 59,000
3. 7/31
Paypalから外貨のまま備品購入
消耗品を購入した時点の為替レートで円換算します。Paypal(外貨)の残高を減少させます。
借方:消耗品 25,001
貸方:Paypal(外貨) 25,001
4. 8/26
海外企業への売上請求
(そのまま)
借方:売掛金 28,848
貸方:売上高 28,848
5. 9/12
Paypalに外貨で入金
同様に、外貨建ての売掛金を消し、Paypal残高(外貨)を記録します。
借方:Paypal(外貨) 28,848(相当額を円換算)
貸方:売掛金 28,848
6. 9/13
Paypalから日本の銀行口座へ外貨を換金して振込
Paypal残高(外貨)を減少させ、日本円で銀行口座に入金します。この際、為替差損益を計上します。
借方:事業主借 55,495
借方:為替差損 3,580
貸方:Paypal(外貨) 59,075
ポイント
1. Paypal残高を「外貨」として管理
「Paypal(外貨)」のような科目を作り、円換算の金額で管理します。
2. 為替差損益を適切に計上
入金や換金時に為替差が発生した場合、差額を「為替差損」または「為替差益」として記録します。
3. 外貨での経費支払い
支払い時の為替レートで円換算し、外貨残高を減少させます。
4. 外貨のままの取引に仕訳なしはNG
外貨での入金や支払いを無視すると帳簿がずれるため、必ずその時点のレートで換算して仕訳します。
この方法で仕訳を修正すれば、売掛金やPaypal残高の金額が正しく一致するはずです。必要に応じて調整を行いながら進めてください。
石割様
お忙しいなか、ご回答いただきありがとうございます。
細かな修正後の仕訳やポイントのまとめ、わかりやすく記載されており、自分の認識との齟齬を理解できました。
あらためて、ご回答いただけたこと感謝いたしますm(_ _)m
本投稿は、2024年11月13日 14時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。