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事業用100%の車の孫への無償譲渡の処理

個人事業主、消費税本則課税、税抜経理の事業者です。
この度、事業用100%で償却中の車を、別居の孫に無償譲渡しました。譲渡時の残存簿価は120万円でした。

この場合の、所得税・消費税・贈与税について教えてください。また、経理仕訳も教えていただけると助かります。

自分としては、時価を残存簿価として、「①残存簿価に対して贈与税のみかかる」か、「②家事転用でのみなし譲渡となり、消費税のみかかる(その場合、仮受金消費税は残存簿価×10%の12万円or残存簿価−残存簿価÷110の109,090円?)」かだと思い悩んでおります。

何卒よろしくお願いいたします。

税理士の回答

1. 所得税の取り扱い

みなし譲渡所得
個人事業主が事業用資産を無償で譲渡した場合、所得税法上は「みなし譲渡」として取り扱われます(所得税法第59条)。これは、時価で譲渡したものとみなして所得計算を行うという考え方です。

時価の算定
この場合の時価は、通常、中古車市場における類似車両の価格を参考にしますが、残存簿価を時価とすることも合理的です。ご質問にあるように、残存簿価120万円を時価とすることが考えられます。

所得の計算
みなし譲渡所得は、以下の計算式で算出します。

譲渡価額(時価) – 取得費 – 譲渡費用

このケースでは、譲渡費用は発生しないと考えられるため、

120万円(時価) – 120万円(残存簿価) = 0円

したがって、所得税は発生しません。

2. 消費税の取り扱い
課税対象

個人事業者が事業用資産を譲渡した場合、原則として消費税が課税されます(消費税法第4条)。無償譲渡であっても、事業として行った場合は課税対象となります。

課税標準
消費税の課税標準は、譲渡対価です。無償譲渡の場合、この譲渡対価をどのように考えるかが問題となります。

消費税の計算
消費税の計算方法は、税抜経理方式を採用しているため、以下のようになります。

課税標準額: 120万円(残存簿価=時価)
消費税額: 120万円 × 10% = 12万円

したがって、消費税額は12万円となります。

3. 贈与税の取り扱い

贈与の成立
個人から個人への財産の無償譲渡は、贈与税の課税対象となります(贈与税法第1条)。

贈与税の計算
贈与税は、以下の計算式で算出します。

贈与財産の価額 – 基礎控除額(110万円) = 課税価格
課税価格 × 税率 = 贈与税額

このケースでは、
120万円(贈与財産の価額) – 110万円(基礎控除額) = 10万円(課税価格)

贈与税率は、贈与額に応じて異なりますが、10万円の場合、税率は10%となります(贈与税法第17条)。

10万円(課税価格) × 10% = 1万円(贈与税額)

したがって、贈与税額は1万円となります。

4. 結論
このケースでは、所得税は発生しませんが、消費税12万円と贈与税1万円が発生します。

本投稿は、2025年02月07日 22時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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