個人事業主がコンサルティング業務請負時の報酬の源泉課税並びに消費税について
今年、個人事業主として税務署に開業届けをだし、法人のコンサルティングを実施しています。
現在、業務委託基本契約書並びに、個別契約書を法人と契約を交わしました。
⚫質問の要旨は報酬の請求書についてです。
個別契約書は、法人の営業に関わる支援という業務委託で報酬項目に、法人が月額10万円(税引後)並びに、
法人は私に 報酬について源泉課税するものとする。と記載されています。この点の税務上視点のアドバイスを
お願いしたい。
1)個別契約書には、法人が個人事業主に支払う報酬について源泉課税するものとすると記載しているので
請求書にはその明細は記載していません。これは、正しいのでしょうか?又、所得税法から問題がありますか?
後で、滞納等言われるのが心配事項です。
2)私は、請求書に税引き後10万円のみ記載して、請求書を出していますが、消費税は預かっていないので、
確定申告時は納める必要は無いと考えますが正しいのでしょうか?或いは消費税法から見て、問題がありますか?
補足)契約は3ヶ月更新で、毎月10万円です。
税理士の回答

回答します
貴方が取引先から得る「報酬」が事業所得との前提で説明します
【前提】
源泉所得税額控除後の「手取り額」が、10万円とした場合
100,000円÷(1-0.1021)=111,370円(源泉所得税込みの報酬額)
111,370×10.21%(源泉徴収の税率)=11,370円(源泉所得税額)
111,370円-11,370円 =100,000円(手取額)
となります。
貴方が売上(収入)とすべき金額は、10万円ではなく、111,370円となりますので、先に説明させていただきました。
なお、源泉所得税に関しては、確定申告時に清算することになります。(支払調書を頂くようにしてください)
1) 契約書上、手取契約であったため、特に問題はありませんが、
請求書の金額に「源泉徴収後の差引金額」と記載した方が、より明確になると思います。
若しくは、報酬111,370円 源泉所得税額11,370円 請求額(振込額)100,000円とされた方がより明確になります。
2) 消費税は貴方の報酬が非課税取引でない以上、消費税は「課税」されていると取り扱われます。
消費税込みの金額で「111,370円」が収入となります。 (相手方は消費税の仕入=課税仕入れとします)
なお、貴方が消費税の申告納税を要する(課税事業者)のは、原則2年前の課税売上高が1千万円を超えたとき、又は課税事業者を選択した場合になります。(特定期間等もありますが説明は割愛します)
今後、課税売上高が1千万円を超えた時には、消費税の申告納税が必要となります。
更に令和5年からはインボイス制が開始され、原則課税事業者でかつインボイスに記載する登録番号がない者からの仕入れは、課税仕入れに該当しなくなるため、今後の取引上、金額も含めてよく検討されるようにしてください。
国税庁HPから参考箇所を紹介します。
「源泉徴収が必要な報酬料金」の Q&A「手取り契約の場合の源泉所得金額の計算方法」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2792_qa.htm
「(消費税の)納税義務の免除」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shohi/6501.htm
「インボイス制度の概要」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm
「リーフレット」
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/pdf/300416.pdf
早速のご回答 誠にありがとうございます。頭の中でもやもやしていたのがスッキリいたしました。特に、源泉徴収の点でもやもやがスッキリです。後、国税庁のHPの記載。こういうのがあったのですね。個人事業主で金額がそれほど多くない場合軽く考えておりました。契約書の方を中心に考えていたのですが、改めて、金額の多寡に関わらずしっかり理解する事が肝要と思い知らされました。

ベストアンサーをありがとうございます。
手取り計算のこと、報酬を支払う取引先が良く理解していないケースがありますので、支払調書の発行を依頼する際に「手取り契約の場合・・・」の箇所を印字したものをお渡しになられたらいかがでしょうか。
なお、報酬の支払者は「法定調書」として、5万円以上の「支払調書」を1月31日までに提出義務がありますので、いずれにしても作成して、交付をしてくださるようお伝えください。
「法定調書の作成の手引き」から関連個所を添付します。
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/hotei/tebiki2020/PDF/04.pdf
本投稿は、2020年11月13日 16時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。