購入型クラウドファンディングによる確定申告の有無について
クラウドファンディングについて色々と調べていると、確定申告が必要な場合があるとの記述を見つけ、ご相談いたしました。
大学の部活でイベントを実施するために、クラウドファンディングサービスを提供している企業を通して、購入型のクラウドファンディングを実施しました。
35万円ほど集めることに成功し、手数料と消費税が引かれ27万円ほどが手元に残りました。
大学の部活というのがそもそもどういう立ち位置(個人事業主になるのでしょうか?)になるかも曖昧で、かつ、この場合には確定申告をしなければならなかったのでしょうか?
ご回答いただけますと幸いです。
税理士の回答

土師弘之
「税法に規定する「法人でない社団」とは、多数の者が一定の目的を達成するために結合した団体のうち法人格を有しないもので、単なる個人の集合体でなく、団体としての組織を有し統一された意思の下にその構成員の個性を超越して活動を行うものをいう」という規定があり、これを「人格なき社団」と呼んでいます。
「人格なき社団」は、法人税法上の「法人」とみなされますので、株式会社と同様に法人税の確定申告・納税をする必要があります。
したがって、大学の部活やサークルも、
①法人ではないただの趣味の集まり
②「集まって部活やサークルを行う」という目的を達成するために集まっている集団である
③運営(会長や副会長、会計など)の方針に従って集団として活動を行っている
ということで、要件を満たしていますので、「人格なき社団」に該当します。
ただし、「人格なき社団」は、「収益事業」に係る部分だけ法人税の確定申告をすればいいことになっています。
「購入型(販売型)クラウドファンディング」は税法上「物品販売」として取り扱うことになっており、「物品販売業」は上記の「収益事業」に含まれます。
結果として、「購入型クラウドファンディング」の収益は、法人税の確定申告をしなければならないということになります。
なお、法人税には所得税とは違って「一定の金額以下は申告不要」という制度ではありませんので、たとえ少額でも確定申告が必要です。
なお、「収益事業の意義」として「継続して行われるもの」というものがありますので、クラウドファンディングが今回限りであり、今後も含めて、毎年のように行うものでなければ、「収益事業」にあたらないと理解されています。
丁寧にご説明いただき本当にありがとうございます。
普段、確定申告などやったことが微塵もなく、何をどうすれば良いか、非常に困っていましたが、土師様にご回答いただき、解決することができました。
誠にありがとうございました。
本投稿は、2022年03月22日 11時46分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。