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役員の社宅の経費計上について

役員の社宅として借りている場所を引っ越したいと考えています。
できる限り99㎡に押さえたいと思っているのですが、一棟まるごと賃貸マンションの場合、部屋ごとの固定資産税をわざわざ出さないことが多いため、賃貸料相当額を算出する計算式が使えないため、50%しか計上できないと言われたのですがこれは本当でしょうか?何かしらうまい方法で計算してもっと多く計上できないでしょうか?

ご教示のほど、よろしくお願いいたします。

税理士の回答

 役員に対して社宅を貸与する場合は、役員から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます。)を受け取っていれば、給与として課税されません。借り上げた社宅家賃からこの金額を除いた部分は経費として計上できます。
 賃貸料相当額は、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅とそれ以外の住宅とに分けて計算します。小規模な住宅とは、法定耐用年数が30年を超える建物の場合には床面積が99平方メートル以下である住宅をいいますので、ご質問の「賃貸マンションで99㎡以内」の場合はこちらに相当すると考えます。
 
 貸与する社宅が小規模な住宅である場合
次の(1)から(3)までの合計額が賃貸料相当額になります。
(1)(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2パーセント
(2)12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/(3.3平方メートル))
(3)(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22パーセント
(根拠法令等 所法36、所令84の2、所基通36-15、36-40~41、平7課法8-1外)

 建物及び敷地の固定資産税の課税標準額を確認するには、固定資産税評価額等証明書が必要ですが、社宅の不動産の所在地の市役所等(物件がそこ管轄となっているのかの確認、必要書類等の確認)に「固定資産税評価額等証明書」を交付してもらいたい旨の連絡を行い、市役所等に賃貸借契約書等を持参して取得することができます。
(固定資産税評価額等証明書は不動産の所有者又は賃借人が取得することができます)
 市役所でご確認頂くことをお勧めします。

ありがとうございます。

おっしゃるとおりなのですが、分譲ではないのでその部屋単体の固定資産税が出ないと言われております。そうなるとこの計算式は使えないと思うのですが、その場合はどうすれば良いのでしょうか?

 例えば賃貸用ワンルームマンション等のように、分譲ではない部屋単体の固定資産税が不明な場合は、マンション一棟の建物及び土地の固定資産税を確認した後に、建物については保有する床面積割合で、土地については保有する敷地権の割合で、按分して計算する方法により固定資産税相当額を導くことが考えられます。この場合の計算そのものは分譲マンションの区分所有の場合と同じです。
 床面積割合とは、一般的に所有者(使用者)が有する建物全体の床面積のうち占有部分(利用)権の割合のことですので、専有部分の床面積を、全ての専有部分の床面積の合計で割って算出することになります。
 敷地権割合とは、所有者(使用者)が有する敷地(利用)権の割合のことですが、原則的に床面積割合と同じと考えて良いでしょう。
 こうした数値はマンションの所有者もしくは管理会社(設計施工業者)が把握しているかと思われますので、ご確認いただければと思います。

 上記の方法が現状ではベターと思われますが、例えば対象となる社宅と状況の類似する社宅の固定資産税の課税標準額を基として計算する方法(所基通36-42 (3)参照)や床面積、設備、立地状況、築後年数等を勘案して合理的に見積もった金額を社宅の賃貸料として徴収する手法も考えられます。ただし基本的な算式によらない方法で計算した金額は通常の賃貸料の額には該当しないため、経済的利益として追徴を受けるリスクがある点は注意が必要です。

ありがとうございます。理解できました。区分所有でないばあい、マンション共有部分にかんしては特に勘案しなくて良いのでしょうか?純粋に借りる部屋の床面積が99平米以下かどうかで判断して大丈夫でしょうか?

 かなり微妙な問題であり、国税庁の指針も示されていないかと思われますので考えを述べさせて頂きます。
 「小規模な住宅とは、…床面積が99平方メートル以下(区分所有の建物は共用部分の床面積をあん分し、専用部分の床面積に加えたところで判定します。)」国税庁HP抜粋
という説明があります。これを逆読みすれば「区分所有」でなければ単純に床面積のみで判断できる、とも考えられます。
 しかしながら、賃料の計算基準が固定資産税がベースになっており、また先の回答で挙げた通り建物全体の固定資産の按分計算上、床面積割合及び敷地権割合を計算する際には共有部分を勘案しておりますので、やはり「区分所有」に準じて「共用部分の床面積をあん分し、専用部分の床面積に加えたところ」で判断すべきと考えます。(そもそも区分所有でない居住用物件の例がかなり少ないようです)上記での計算上「床面積が99平方メートル以下」が極めて微妙なラインであれば、あらためて税務署に確認されることをお勧めします。
 最後に他の方からもご相談があったのですが、税務署は法人と役員の間の商取引等(金銭が関係する売買や賃借等)に非常に敏感です。本件の場合は法人が負担する賃料の割合が高い時は、計算根拠等を示す必要があると思われます。このことを念頭に資料及び計算内容を精査して判断いただきたいと思います。

ありがとうございました。参考にさせていただきます。

本投稿は、2022年10月06日 09時33分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。

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