親の口座から預金引き出し、みなし贈与になりますか
認知症で施設にいる母の口座から3年前に800万円引き出しました。施設費用が月に20万円ほどかかるため長期入所に備えて株投資をするためです。母の証券口座は開設できないので、妻の口座で運用しています。母は今年1月に亡くなりました。資産は900万円ほどでしたが、税務署から相続税のお尋ね書が届きました。通帳のお金の動きを調べて、不審を抱いているのかと思うと不安になります。お尋ね書には引き出した800万円も母の資産として書くべきでしょうか。税務調査で、みなし贈与を指摘されたらと心配しています。
税理士の回答

国税OB税理士です。税務署では、相続税贈与税担当部署の管理職をしておりました。
まず、確認したいのは、相続税がかかりますか?
かかるのであれば、相続税専門の税理士に依頼されることをお勧めします。
税務署か、お尋ねを出したということは、相続税がかかるのだろーと税務署は、判断しています。
相続財産になると判断します。
ご回答ありがとうございます。相続税はかかりません。相続人は4人です。母の資産は銀行口座などの計900万円ほどです。私が引き出した800万円が相続財産であるのならば、お尋ね書のどこに記載すればいいのでしょうか。口座の最終残高に加えるのでしょうか。もしそうすれば、最終残高と数字が異なるので説明が必要になりますか。

その他の項目に記載すれば、いいですね。
ご回答、本当にありがとうございます。お尋ね書の「その他」に、引き出した800万円を記載した場合、税務署に口頭での説明は必要ありませんか。その際、説明しても主張が認められず、みなし贈与とされてしまうことを心配しています。重ねての質問で大変恐縮ですが、なにとぞよろしくお願いいたします。どうしたらいいのか分からず、困っています。

みなし贈与という言葉は、この場合には使い方が違います。
まず、贈与というのは、あげますもらいますという民法で規定した片務諾成契約になります。
あなたの場合には、言い方が失礼になりますが、本人は、痴呆になっているとのことなので、本人に贈与の意思はなくあなたが、かってに母の預金をおろしただけです。なので、贈与は成立していないとの判断になります。
ご回答ありがとうございます。もう一点だけ教えてください。税務署には個別相談を申し込んで経緯を説明した方がいいでしょうか。それとも、お尋ね書のその他の欄に800万円引き出したことを記入して送付するだけでいいのでしょうか。後で税務調査されるくらいなら、あらかじめ説明した方がすっきりするのですが…。

面接をしても構いませんが、資産課税担当が面接しませんので、あまり意味がないです。記載して回答すればいいと思います。
追加の質問にも丁寧にご回答いただき、大変ありがとうございました。贈与について正しく理解できました。税務署から「みなし贈与」を指摘されたらどうしようかと不安でたまらなかったので本当に助かりました。お尋ね書の記載については、具体的にどう書くのか税務署に聞いて進めたいと思います。今回は本当にありがとうございました。
先日は贈与に関する質問にご回答いただきありがとうございました。あの後で別の税理士からも回答があり「預金を無断で引き出して別の口座に移動した時点で贈与と判断する」と言われました。西野先生の言われた内容と全く違うので困惑しています。私としては西野先生のご回答が正しいと考えていますが、こうした問題は税理士によって認識が異なるものなのでしょうか。こんなことをお聞きして失礼かと存じますが、先生の見解を教えていただけないでしょうか。

私は、長年税務署で、資産課税部門(相続税や贈与税の担当)その中でも、特別国税調査官を18年しておりました。課税する側の人間でした。その中でも、大きな金額の事案ばかり担当してきましたので、都内の税理士が何人もいる税理士法人とやりあって、課税を行ってきました。法律論で戦うこともあります。
正直、相続税や贈与税に関しては苦手にして入り税理士が多いです。自分勝手な解釈を行っている方も多いです。
なので、完全に知識の差がものをいう税法です。また、民法などのほかの法律の理解をしていないと判断できない部分もあります。
贈与は、3番目に記載した条件が整わないと贈与は成立しません。
よって、あなたの場合には、言い方が悪くてすいませんが、勝手に下しただけですので、
①親から見た場合には、「不当利得返還請求権」が生じます。
②親が亡くなったので、「不当利得返還請求権」が相続財産になります。
③それをあなたが相続すれば、「相殺」という形で消滅します。
相続のおたずねには、「預り金」ということで大丈夫です。
最後に、あくまでもこの場は無料相談の場ですので、どちらを信じるかはあなたが決めてください。
また、有料にはなりますが、「相続のおたずね」の回答も行ってはおります。
懇切丁寧なご回答、本当にありがとうございます。贈与に関してネットには税理士が発信するさまざまな情報があるので。困惑していました。西野先生に論理的に説明いただき、改めて納得しました。心から御礼申し上げます。

無料相談ですが、私は、相続専門税理士として名前を出しておりますので、しっかり考えて回答は行っております。😊
お役に立てて幸いです。
今回の件で、税理士にもいろいろな人がいることが分かりました。西野先生にご回答いただき、本当に幸運でした。重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。
本投稿は、2023年07月31日 20時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。