同族会社への委託料のは必ずダメですか?
一人会社の社長が、別の一人会社を立ち上げ、業務を委託することは損金不算入になるでしょうか。
私は一人会社(A社)の代表社員です。業種は翻訳。現在は2年目で、設立から役員報酬で暮らしてきました。
この度、海外に引っ越すことになりましたが、引き続き同じ業務をする予定です。
ところが、非居住者になりますと役員報酬の源泉徴収20.42%に加え、向こうの所得税も払うことになり、さらに日本の社会保険の加入義務は変わりません(しかも所得税の社会保険料控除は無し)。
結果として所得税+社保の負担は報酬の38%前後になり、単純に経済的合理性がありません。
A社を経営している中で、フリーランスの方に業務を委託することが時々あります。委託料は決まったレートで、売上の8割ぐらいです。
役員個人に対して外注費を払うことは原則としてダメなのは伺っていますが、海外で同族会社(B社、役職員は私一人)を設立し、委託することはダメでしょうか。
現地ではB社の役員報酬で暮らし、A社の役員報酬は来年度からゼロする、ということです。
A社の業務はお客さんや他の外注先とのやり取りのみになります。
外注のルールについて自分で調べたところ、「いけそう」と思う理由は次のとおりです。
・他にも外注先が存在し、料金が同じ
・委託業務はちゃんと成果物があり、対価性の問題がないはず
・B社を設立しても、A社を維持したい理由は取引先との関係、社会的信頼度、国内振込を受けられる利便性などで、決して節税目的ではない
・業務委託にしないと、役員報酬の経済的合理性がなく、A社をたたむことを余儀なくされるので、B社の存在も不当な節税目的ではない
・海外に住んでいる既存外注先に比べて、同じ業務を同じ場所で役員として行うとあり得ない負担を背負うという結果はそもそも社会的通念から見てもおかしい状況で、税制・社会保険制度の趣旨に沿っていると思えない
一方、「いけないかな?」と悩む理由は、次のとおりです。
・やはり同族会社間の取引で、役員個人への外注との違いは形式的にすぎない
・今まで役員報酬をもらってやってきたことを、急に委託しだすことは怪しまれるかなと
・外注費は役員報酬に比べて、「定期同額」じゃないし、他にも明らかな利点があり、それらが狙いじゃなくても、税務調査で指摘されそう
いかがでしょうか。ご教授のほど宜しくお願いします。
税理士の回答

安島秀樹
読んでみましたけど、そうしたいのなら特に問題はないように思いました。身の回りに役員をやってくれる人がいるなら、あなたは社員になれば20%の問題はなくなると思うのですが、それもできなくて、日本の社会保障から外れてもいいというのなら、それでいいと思います。
ご回答いただきありがとうございます! 安心しました。
従業員になるというご提案も検討いたします。
本投稿は、2020年07月09日 17時47分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。