退職所得の受給に関する申告書の社員に対する説明資料
退職所得の受給に関する申告書ですが、全社員に理解して記載してもらうとなると難しい気がします。かと言って源泉徴収してしまうとトラブルになってしまう気がします。(弊社の退職金水準だと基本的に税額0円になります)
なにか良い説明資料とかあるでしょうか?
とりあえずこちらで代わりに書いて氏名部分だけ本人に直筆してもらおうかなぁと考えていますが、過去4年の退職金とか副業先の退職金とか本人しか分からないですし、説明不足だと問題にもなるよなぁと(特に副業でも退職所得があって重複期間があった際なんか)
税理士の回答
国税庁のホームページには、退職所得の制度説明や申告書記載例、源泉徴収事務の手引きが公開されています。参考にされてはいかがでしょうか。
戸越裕介
結論から申し上げますと、社内説明用としては「なぜ出す必要があるのか」「出さないとどう損をするのか」に絞った、チェックシート形式のシンプルな案内書を1枚用意するのが実務上最も効果的です。
ご相談者様が危惧されている通り、会社側で先回りをしすぎて代わりに記入してしまうと、他社での退職金(過去4年以内の退職金や副業先での重複期間など)の申告漏れが起きた際、最終的な税務責任が曖昧になりトラブルに発展するリスクがあります。実務上も非常に頭を悩ませやすい論点です。
■ 理由と具体的な処理
この申告書を全社員に理解してもらうのは確かにハードルが高いですが、伝えるべきポイントは実は次の2点だけです。
「出せば税金はほぼ0円(貴社の退職金水準の場合)」
「出さないと一律で約20%(20.42%)の税金が天引きされ、自分で確定申告の手続きをしなければ戻ってこない」
実務におけるおすすめの対応は、申告書の白紙をそのまま渡すのではなく、会社側で記入できる「会社名」「本人の氏名・住所・生年月日」「勤続期間」まではあらかじめデータ出力(または印字)して渡す方法です。クラウド人事労務ソフトなどを活用すれば、退職時の基本情報は自動で反映できます。
その上で、本人にしか分からない「他社での退職金の有無」についてだけ、以下のような案内文(チェックシート)を添えて本人に確認・自署してもらう形をとるのが自然です。
■ 社員向け説明資料(案内文)のイメージ
【退職金を一律20.42%天引きされないための重要なお手続き】
退職金にかかる税金を正しく計算(多くの場合、税金は0円になります)するために必要な書類です。提出がない場合、法律に基づき退職金の約20%が税金として差し引かれます。
<確認・ご記入いただきたいこと>
□ 過去4年以内に、他の会社から退職金をもらったことがありますか?
(※副業先での退職金や、アルバイト時代の退職金も含みます)
⇒「ない」場合:表面の【C】欄の「ない」にチェックを入れ、氏名を自署してください。
⇒「ある」場合:他社から受け取った「退職所得の源泉徴収票」のコピーを添付し、該当欄をご記入ください。
■ 注意点と次にやるべきこと
万が一、副業先等での重複期間があり、本人が正しく申告できているか不安な場合は、会社側で無理に計算を代行せず、「他社での退職金がある場合は、双方の源泉徴収票を保管し、翌年3月に各自で確定申告(スマホや電子申告等)で精算してください」とアナウンスしておくのが会社を守る防衛策になります。
実際の支給金額や就業規則、個別の副業状況等によって細かい判断が変わる可能性はありますが、まずは「案内書を1枚添えて、本人確認のうえ自署をもらう」というフローで整理されると大きく誤る可能性は低いです。
少しでもご参考になれば幸いです。
本投稿は、2026年06月24日 16時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







