相続不動産売却時の譲渡所得計算における取得費ついて
母が亡くなり相続した実家以外の家を売却しようとしています。この家は母の内縁関係であったAさんから母に15年くらい前に遺贈されたものです。譲渡所得税計算に関して以下を確認したく、ご回答をお願いします。
①取得費はAさんが購入された金額と理解していますが、正しいでしょうか?
②Aさんの購入時に交わした不動産会社との一般媒介契約書があり金額が明記されているのですが、それ以外の書類には金額の記載がありません。一般媒介契約書の金額を取得費として問題ないでしょうか?
③購入時と数年後にリフォームを2回行っているようです。これらのリフォーム費用も取得費に計上できますか?また、リフォームの契約書はAさんと母の二人のサインがあります。何か考慮する点は有りますか?
以上、よろしくお願い致します。
税理士の回答

池田康廣
➀ Aさんが購入した価額より取得から譲渡までの期間に対する建物の減価償却費を控除した金額が取得費となります。新築家屋を取得した場合は、建物取得価額×0.9×償却率(木造=0.031)×経過年数で計算します。
② 差支えありません。この金額を基に宅地と建物に区分し、建物について減価償却費の計算をします。取得が平成元年以降で消費税額が判明していれば、その金額を基に建物の取得価額が計算できるので、それを基に減価償却費を計算します。
③ リフォーム代金も取得費に算入できますが、リフォームから売却までの期間に対する減価償却をする必要があります。(➀の計算)
ご回答有難うございます。
Aさんが購入した物件は築20年程の中古の一軒家で、軽量鉄骨の建物です。
この場合の計算式も①と同じで、償却率が変わるということで良いでしょうか?

池田康廣
軽量鉄骨で骨材の厚さが3mm以下の場合、償却率0.036で3mm~4mmの場合、償却率0.025として計算します。なお、経過年数については6か月以下の場合は切捨て、6か月超の場合は切り上げします。
なお、家屋の取得額-減価償却費の金額が家屋の譲渡価額×5%で計算した金額より少額となる場合は、家屋の譲渡価額×5%の金額を家屋の取得費として計上できます。また、中古物件を取得しているということなので、建築時期から取得時期までの減価償却費を控除した金額がAさんの取得価額で、あなたの譲渡所得の計算で計上する減価償却費はAさんの取得時期から譲渡時までの金額となります。建築時期の標準建築費は国税庁ホームページの「譲渡所得の申告のしかた」というパンフレット・冊子の中に掲載されていますので、ご覧下さい。
池田先生、有難うございます。とても参考になりました。
もう少し具体的に確認させてください。
Aさんの購入費が850万円、建築時期から取得時期までの減価償却費が5万x10年=50万円とすると、Aさんの取得価格が800万円となり、800万円から私の原価償却費をマイナスするということで正しいでしょうか?

池田康廣
建物の建築価額が1,000万円だったとします。10年後にAさんが2,000万円で土地・建物を取得したとすると、取得価額の内訳は建物(1,000万円-減価償却費50万円=950万円)、土地(2,000万円-減価償却後の建物価額950万円)=1,050万円)という内訳になります。
この土地・建物をさらに10年後に譲渡したとすると、建物の取得費は950万円-減価償却費50万円=900万円、土地1,050万円が取得費となります。
池田先生、有難うございます。よく理解できました。
本投稿は、2024年10月20日 11時14分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。