個人事業主でも従業員の為に社宅を福利厚生として準備できる?
1、社宅を借りる際の敷金礼金などは福利厚生費として計上できる?
2、個人事業なので、住宅を借りる際の名義は個人事業主でいい?
3、従業員の給料から社宅の家賃は天引きでいい?
4、引っ越し代や退去時の費用は従業員負担にしてもいい?
それとも個人事業主負担?
社宅導入するにあたり、どんな流れで準備したらいいのでしょうか?
ご教示の程、お願い致します。
税理士の回答
税理士の及川と申します。
よろしくお願いいたします。
個人事業でも従業員に対する社宅は税務上認められます。
1、「社宅を借りる際の敷金礼金」
敷金・保証金は退去などで帰ってこないことが確定した時点で、帰ってこない金額が必要経費となります。それまでは「預け金」なので「敷金・保証金」として資産計上となります。
礼金は支払時点で必要経費となります。
2、個人事業なので、住宅を借りる際の名義は個人事業主しかありえません。
3、従業員の給料から社宅の家賃は天引きが普通です。
4、引っ越し代は従業員負担が普通です。退去時の費用も従業員負担が普通です。
社宅導入に特に書類として準備するものはありません。
ただし従業員から徴収する家賃の設定には注意してください。
使用人に対して社宅や寮などを貸与する場合には、使用人から1か月当たり一定額の家賃(以下「賃貸料相当額」といいます)以上を受け取っていれば給与として課税されません。
賃貸料相当額とは、次の(1)~(3)の合計額をいいます。
(1) (その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
(2) 12円×(その建物の総床面積(平方メートル)/3.3(平方メートル))
(3) (その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
使用人に無償で貸与する場合には、この賃貸料相当額が給与として課税されます。
使用人から賃貸料相当額より低い家賃を受け取っている場合には、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額が、給与として課税されます。
しかし、使用人から受け取っている家賃が、賃貸料相当額の50%以上であれば、受け取っている家賃と賃貸料相当額との差額は、給与として課税されません。
また、会社などが所有している社宅や寮などを貸与する場合に限らず、他から借りて貸与する場合でも、前に説明した三つを合計した金額が賃貸料相当額となります。
したがって、他から借り受けた社宅や寮などを貸す場合にも、貸主等から固定資産税の課税標準額などを確認することが必要です。
現金で支給される住宅手当や、入居者が直接契約している場合の家賃負担は、社宅の貸与とは認められないので給与として課税されます。
以上です。
本投稿は、2015年06月25日 23時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。