前払い金を買い掛け金で仕分けして大丈夫?
会社で経理を担当しているものです。最近転職し新しい会社で働き始めたのですが、転職先の会社で前任の方が前払い金を買い掛け金で仕分けしておりました。「いちいち前払い金にするのは面倒なのでと言われ、このまま買い掛け金で処理していいよ。」と言われたのですが、買い掛け金は【負債】前払い金は【資産】なので、買い掛け金で普通に仕分けおこすべきではないのでしょうか?請求書には納品日も記載されているので商品が納品される前に銀行から代金を支払っているのは明らかです。また商品代金も金額が大きいものなのです。
この件で質問は以下、2点あります。
①今後近いうちに銀行から融資を受ける予定で。銀行は融資前に試算表をチェックして自己資本比率を計算して借入金の利息率を決めると聞いたことがあり、このままでは融資の際少し不利な条件になりませんか?
②税務調査の際に指摘されるのではないかと感じました。わざわざ印象を悪くする必要はないのではないかと感じています。
長文になりましたがご教示いただきたいと思います。よろしくお願いします。
税理士の回答
①正確な処理ではありませんので、審査で不利になる可能性はあります。
現状の処理では買掛金が過少に計上されていると思いますので自己資本比率は逆に良くなるはずですが、良くするための操作と見られれば審査ではマイナスです。
また、試算表ベースで買掛金がマイナスの月が生じるといった、本来ありえないことも想定されます。
こうしたことから、この会社の財務諸表は信用性が乏しいと判断されれば、将来的な銀行取引にも影響が出る可能性もあります。
②税務上は、現在の処理でも正しい処理でも所得金額や法人税や消費税等の税額は変わらないと思いますので、税務調査で指摘されることはないかと思います。
法人税では細かい勘定科目の概念はなく益金と損金で所得計算をします(尤も益金、損金は一般に公正妥当な会計処理によるとされていますが)し、消費税は前払金も買掛金も課税対象外ですので。
税務上問題にならないとしても、ご質問者様が感じておられる通り明らかに間違った経理処理ではあります。
本投稿は、2021年04月11日 22時54分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。