役員報酬の支給時期について
6月決算の法人を経営しております。
業績がここ数年厳しく令和5年6月と令和6年6月決算では役員報酬を支給しておりませんでした。
役員は私ひとりです。これからになりますが、株主総会を開くなどして令和7年6月決算において令和7年4月から6月の間だけ、役員報酬を支給することは可能でしょうか。
よろしくお願いします。
税理士の回答

役員報酬の期中支給(4月~6月のみ)について
✅ 結論:令和7年6月決算において、4月~6月の3か月間のみ役員報酬を支給することは、原則として難しい。
➡ 税務上の「定期同額給与」の要件を満たさないため、損金算入できない可能性が高い。
📌 役員報酬の損金算入要件(法人税法上のルール)
法人が役員報酬を損金(経費)として計上するためには、以下の いずれかの要件 を満たす必要があります。
1. 定期同額給与
• 「毎月同額」で支給する必要がある。
• 支給期間が3か月だけだと、「定期的」とは認められず、税務上損金算入が認められない可能性が高い。
2. 事前確定届出給与
• 事前に「支給額・支給日」を決めて税務署に届け出る必要がある。
• ただし、年度の途中での届出・変更は原則不可。
3. 業績連動給与(上場企業向け)
• 業績に応じて変動する給与制度だが、通常の中小企業には適用できない。
📌 結論として、「4月~6月のみの役員報酬」は上記のいずれの要件にも該当せず、法人税の損金にならない可能性が高い。
📌 可能な代替策
✅ 1. 令和7年6月決算の「期首(7月)」から役員報酬を支給する
• 7月から役員報酬を設定し、1年間継続して支給すれば「定期同額給与」として認められる。
• 資金繰りが厳しい場合は、役員報酬の額を低めに設定する方法もある。
✅ 2. 役員退職金を活用する
• もし今後役員報酬の支給が難しい場合は、役員退職金を検討する方法もある。
• ただし、法人の資金状況や税務リスクを考慮する必要がある。
✅ 3. 期中に報酬を設定し、税務上の損金にならない前提で支給する
• 4月~6月だけ支給すること自体は可能だが、法人税の経費(損金)にはできない可能性が高い。
• 個人の所得税は通常の給与と同じ扱いになるため、税負担が増える。
本投稿は、2025年03月06日 12時10分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。