個人事業主の資格取得費用は経費になりますか。
建設業の個人事業主です。
事業拡大の目的で、建築士の資格を取得するために通信制の大学に通っています。
学校にかかる費用は経費になりますか。
税理士の回答

相談者様の業務と相当の関連はありますが、業務の遂行に直接必要なものとは認められないと考えられますので、必要経費に算入することはできないと思われます。
事業所得の計算上必要経費に算入する金額は、特別の定めがある場合を除き、これらの所得の総収入金額に係る売上原価その他その総収入金額を得るため直接に要した費用の額およびその年における販売費、一般管理費その他これらの所得を生ずべき業務について生じた費用の額である(所得税法第37条第1項)とされています。
一般に事業主や使用人がその業務の遂行に直接必要な技能または知識の習得や研修を受けるために通常必要な費用は必要経費に算入されます(所得税法基本通達37-24 https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/09.htm)が、「業務の遂行に直接に必要」であるかどうかは、現に営んでいる業務のうえで直接に必要な技能や知識であるかどうかによるべきものと考えられています。
そのため、今回のケースにおける大学の授業料等の費用は、相談者様の業務と相当の関連はありますが、業務の遂行に直接必要なものとは思われないので必要経費には算入されないことになる可能性が高いと考えられます。
令和元年10月25日大阪地裁判決で、整骨院を営む個人事業者の柔道整復師資格取得費の必要経費参入が否認された判例(確定判決です)がありますので、経費には出来ないでしょう。
資格取得費は、新たな地位や職業に就くための家事費であり経費性は認められないというのが主な判決理由です。
本投稿は、2024年01月24日 12時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。