事業主借、事業主貸について
事業で出た利益が30万で、その30万を生活費として当てる(事業主貸)
その後、事業で使用するパソコンを10万円で購入する(事業費借)
この場合はそれぞれ相殺して、税金がかかってくるのは20万円という考えでよろしいでしょうか?
税理士の回答

若干異なります。
ご質問の内容ですと、パソコンが10万以下であり購入した年の経費となるため、「事業主貸-事業主借=10万円」となり、事業所得の金額と一致しますが、10万円を超える資産の購入の場合は異なります。
【事業所得の計算方法】
収入金額 ー 必要経費 (-青色申告特別控除額)=事業所得金額 で計算され、会計上の考え方としては「損益計算書」上で算出します。
事業主勘定は「貸借科目」であるため、最終的には「純資産=元入れ金」に組み込まれる勘定となっています。
【事例との解説】
先ほどのご質問では、パソコンが10万円のため購入した日の必要経費になりますので次のようになります。
収入金額 - 売上原価等 = 20万円
20万円 - 必要経費(10万円)=10万円 事業所得金額
※青色申告特別控除額を今回加味していません。
しかし、購入した資産が10万円を超えた場合、原則「減価償却資産」となるため、その資産の耐用年数にかかる「減価償却費」のみが必要経費になります。
購入金額 15万円(事業主借) 当年の減価償却費の額が5万円の場合
収入金額 - 売上原価等 = 20万円
20万円 - 5万円(必要経費:減価償却費)= 15万円 事業所得金額
事業主貸20万円 - 事業主借15万円 =5万円
このように金額に差が出ますので、
事業主勘定の差額 ≠ 事業所得金額 となります。
ご回答ありがとうございます。
すごい初歩的な質問になってしまってたら申し訳ございません。
生活費30万(収入金額)−パソコン費用(必要経費)=20万円(事業所得)ではないのですか?

貴方の収支の内容が、お尋ねのような場合は、そのような考え方になるかもしれませんが、厳密には「違う」と言わざるを得ません。
簡単にしますと、儲け=所得 という考え方となります。
そこで、
収入金額 - 必要経費 =事業所得 となります。
収入金額≠生活費 ではないことをご理解ください。
仮に収入金額を「生活費=事業主貸」として出金などをした場合であったとしても「収入金額」が減少することはありません。
収入金額はあくまでの「収入=売上代金」となりますので、事業で得た収入金額は損益を計算する一つの勘定となります。
生活費はむしろ必要経費を控除した「所得」から捻出するものと考えます。
蛇足になりますが
損益計算(書)とは
その年に「儲けた」額がいくらかを示す決算資料となります。
事業で得た収入(売上)から、その収入を得るために係った費用(必要経費)差し引き、当年にどれだけ「利益=儲かった」かを計算します。
貸借対照表とは
その「時点の資産・負債・純資産」の状況を表す決算資料となります。(事業主勘定もこの勘定に含まれます)
収入で得た「現預金」を「生活費」で出金した時(事業主貸)には、その分「事業の現金」は減少します。
しかし、事業の現金が減少したからといって、利益(所得)金額が減少することはないので、「儲け」=「所得」以上に事業主が出金を続けますと、事業の「資産」が目減少することになります。
本投稿は、2024年05月10日 08時56分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。