本店を変えた方がいいのか
株式会社の代表をしています。自宅が法人の本店なのですが、来年の春新しく家を建てます。今の本店は変わらずそのままですが、その新しい家の減価償却費等を事業割合で按分するつもりです。登記を今の本店から新しい家に変更した方が良いのでしょうか?
税理士の回答

坪井昌紀
今の場所を継続的に支店や事業所として使用するかどうかを問わず、減価償却をお考えともなると、会社の本店は郵送物等の宛先にもなりますし、将来に向けて新居に本店の異動登記をすることが良いと思います。
逆に、今までの場所が本店として継続して、新居を支店として考える場合は、その実態を伴うように注意が必要です。
回答は以上です。
【結論】
新しく建てる家が、会社の実際の活動の中心になるのであれば、本店登記も新しい家に移すのが適切です。逆に、今の本店を引き続き事業の中心として使うのであれば、登記を変えずに新しい家の経費を事業割合で按分して計上する、という扱いで問題ありません。
【詳細】
(1)登記上の本店と実態の関係
・会社法上、本店所在地は「会社の主たる事務所」を指します。
・税務署にとっても「納税地」は本店所在地で判断されるため、実態と登記がずれると後々不都合が出ることがあります。
(2)現在の本店をそのままにするケース
・今の自宅(現本店)が引き続き管理・事務の中心であれば、本店登記はそのままでOK。
・新しい家は「自宅兼事業利用」として、減価償却費や水道光熱費などを事業割合で経費計上できます。
(3)新しい家に本店を移すケース
・新しい家に事業の拠点が移り、仕事の大部分をそこで行うなら「主たる事務所」は新しい家と判断されます。
・その場合は本店移転登記(2週間以内)が必要です。あわせて税務署や市区町村にも「異動届」を提出することになります。
(4)実態との乖離リスク
・登記と実際の拠点が違うと、郵便物や税務調査の対応などで不都合が生じる可能性があります。
・実態に即して登記するのが安全です。
【まとめ】
(1)事業の中心が今の本店にある → 登記そのままでOK
(2)新しい家に移る → 本店移転の登記が必要
(3)いずれの場合も、新しい家の減価償却費は事業割合で按分して経費にできる
新しい家をどう位置付けるかによって判断が変わります。実態に即した選択をしておくと、後々安心して事業を続けられますよ。
本投稿は、2025年07月25日 16時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。