家事用資産を事業用資産に転用した場合の減価償却
プライベートで使っていた車両を事業用に使うことにしました。
5年前に2,600,000円で取得しているので、事業主貸の2,600,000円で車両運搬具に計上しています。
ただ、減価償却は減価の額を考慮するかと思いますので、2,600,000円を全て償却できるわけではないかと思います。
仮に分かりやすく、減価の額を600,000円とすると、2,600,000円−600,000円−1円=1,999,999円が償却費に計上できて、600,001円が残存価格としてずっと帳簿上に残り続けるということでしょうか?
ちなみに、事業用資産に転用したときに最初から取得価格は2,000,000円として計上することは可能なのでしょうか?
税理士の回答

長谷川文男
家事用減価償却資産を、事業用に転用した場合、家事用の期間の減価の額は、償却したものとみなされます。要は、未償却残高が減るわけです。
でも、取得価額はそのままです。
減価償却費は、選択した償却方法により償却します。
法定耐用年数6年で、家事に5年使っているからといって、残り1年で償却できるわけではありません。
車両の場合、軽なら4年、普通自動車なら6年が法定耐用年数かと思います。(トラック等は省略)
実際に減価の額を計算してみましょう。
普通車6年として、家事5年なら
2,600,000×0.9×0.111×5年=1,298,700
取得価額 2,600,000円
償却済額 1,298,700円
未償却残高 2,600,000-1,298,700=1,301,300
減価償却費は、定額法、12ヶ月なら
転用1年目 2,600,000×0.167=434,200
転用2年目 2,600,000×0.167=434,200
転用3年目 2,600,000×0.167=434,200ですが、未償却残高を超えるので備忘価額1円残せば、432,899円
減価の額は償却したものとされますので、転用3年目の減価償却費計上後の未償却残高は1円です。
この計算でお分かりのように、取得価額は2,600,000円ですから、2,000,000円とすると計算を誤ります。
具体例を用いて丁寧なご説明ありがとうございます。
その具体例の場合だと、つまり最終的に未償却残高は1円になるとしても、3年目の帳簿上には、1円ではなく、
2,600,000-434,200-434,200-432,899=1,298,701円
が最終的には車両運搬具に残り続けるということでしょうか?

長谷川文男
1,298,700円は、減価の額で償却済みです。
減価償却を間接法で処理するなら、
車両運搬具 2,600,000
減価償却累計額 1,298,700
が、転用直前の金額です。
そして、転用3年目は
車両運搬具 2,600,000
減価償却累計額 2,599,999
となります。
本投稿は、2025年08月07日 07時25分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。