期を跨ぐ際の仕訳について
10月末決算の会社です。
クレジットカードで支払いをしているサービのカード明細が11/1に上がってきました。(サービス側の明細発行日が11/1です。)
サービス側の明細を確認すると、10月中に何件か利用が発生しており、
10月利用部分の合計が11/1のカード利用として上がっています。
こういう場合は、10月で処理するものでしょうか。
または、カード明細に合わせて、11月で処理するものでしょうか。
税理士の回答
ご質問の件ですが、クレジットカード明細の日付(11/1)ではなく、“サービスを利用した日=費用が発生した日” で処理するのが正しい方法です。
理由
法人税では「債務が確定した日」に費用計上する必要があり(法人税法22条2項)、カード利用=債務の確定日 と扱われます。
今回、サービス利用日は10月中のため:
費用発生:10月
カード会社への支払確定:10月(利用日ベース)
よって、10月末決算の会社なら、10月の費用として計上することになります。
仕訳(例)
10月利用分(10月に計上)
(10月)
◯◯費 XX,XXX /未払金 XX,XXX
11月の実際のカード引落時
(11月)
未払金 XX,XXX/普通預金 XX,XXX
三嶋政美
クレジットカード利用については、「利用日」と「カード会社の明細日(計上日)」がずれることが一般的です。会計処理では、サービスを利用した時点で費用が発生したと考えるため、明細の発行日が11月1日であっても、10月中に利用が確定している分は 10月決算に計上するのが原則 となります。
具体的には、10月末時点で未請求であっても、次のように処理します。
〔10月利用分の計上〕
費用科目 ×××/未払金 ×××
そして、実際のカード引き落とし時に未払金を消し込みます。
カード明細日や請求日ではなく、「役務提供日・利用日」を基準に処理する点がポイントです。こうすることで、決算月の費用が正しく反映され、期間損益の整合性が保たれます。
税理士の方には、カード明細日で計上すると言われたのですが、
そちらでも問題ないのでしょうか。
税法・会計の原則から言うと「カード明細日で計上」はおすすめしません。
ただし
毎期一貫して同じ処理をしている
金額もそこまで大きくない
という前提なら、即アウト・ペナルティというより「調査で是正指導されるレベル」の話だと思っておいた方が安全です。
・なぜ「利用日(10月)」で計上が原則なのか
法人税は債務が確定した事業年度の損金にする(法人税法22条)
というルールです。
クレカの場合、サービスを利用した時点で「事業としての支出」が発生
同時に、「カード会社に対する支払義務」もほぼ確定
なので、本来は「利用日ベース」=10月分は10月の費用+未払金
という処理が原則です(前回お伝えした通り)。
「カード明細日で計上」はどう扱われるか
税理士が言っている「カード明細日で計上」は、実務上よくある “簡便処理” ですが、原則論からは外れます。
・問題点
決算またぎの月は、毎年必ず費用の期ズレ が起きる
年度ごとの比較性・月次管理もゆがむ
税務調査で「債務確定主義に沿っていない」と指摘され得る
とはいえ、常にカード明細日で処理している(継続適用)
10月利用分と11月明細日のズレが毎年ほぼ同じ
であれば、税額に与える影響は通算で見るとそこまで大きくないことも多いです。
そのため実務では、
「原則としては望ましくないが、少額・継続・簡便処理として容認されているケースもある」くらいのグレーゾーンです。
本投稿は、2025年11月21日 11時57分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







