会社と社長の間の利益相反取引について
会社法上の利益相反取引について「取締役が会社の利益を犠牲にして、自己または第三者の利益を図るような取引のこと」となっていますが、以下のような場合は該当するのかどうか教えていただきたいです。
①会社所有のホイルローダーを社長へ売却
期首簿価 1円
販売店による査定額 6,000,000円
売却益 5,999,999円
②会社所有のトラックを社長へ売却
期首簿価 1円
販売店による査定額 2,200,000円
リサイクル預託金 9,330円
売却益 2,190,669円
③会社所有の倉庫を社長へ売却
期首簿価 1,512,815円
建築会社による査定額 4,950,000円
売却益 3,437,185円
会社の損害は無いですが、余りにも売却益が多額のため、このまま計上しても税務上問題ないか不安でご相談させていただきました。
どうか、ご指導のほど宜しくお願いいたします。
税理士の回答
【結論】
社長が取締役である場合、会社所有の資産を社長へ売却する取引は、会社に損害が生じているかどうかにかかわらず、原則として会社法上の利益相反取引に該当します。ただし、所定の承認手続を行い、適正な時価で売却するのであれば、売却益が多額になること自体に税務上の問題はありません。簿価が1円又は低額まで減価償却されているため、時価との差額が大きな売却益として計上されるものです。
【売却益】
①ホイルローダー
売却価額6,000,000円-簿価1円=売却益5,999,999円
③倉庫
売却価額4,950,000円-簿価1,512,815円=売却益3,437,185円
以上は、売却価額が税抜金額である前提では計算上問題ありません。税込金額の場合は、会社の経理方式も含めて消費税部分を調整する必要があります。
②トラックについては、2,200,000円にリサイクル預託金9,330円が含まれているかを確認してください。含まれている場合、車両本体の対価は2,190,670円となるため、売却益は2,190,669円です。含まれていない場合は、車両本体の売却益は2,199,999円となり、リサイクル預託金は別途処理します。
【実務上の注意点】
販売店や建築会社の査定書、売買契約書、入金記録を保存し、査定額が売却時点の時価を適切に示していることを説明できるようにしてください。特に倉庫は、所在地・築年数・構造・撤去費用などを査定に反映しているか確認が必要です。
また、取締役会設置会社であれば取締役会、それ以外の会社では原則として株主総会において、取引条件などの重要な事実を開示して事前承認を受けてください。取締役会設置会社では、取引後の報告も議事録に残します。
したがって、確認すべき点は、売却益の大きさではなく、①売却価額が適正な時価であること、②会社法上の承認手続を行っていること、③消費税とリサイクル預託金を適切に区分していることです。
とても分かりやすくご説明いただき有難うございました!
本投稿は、2026年08月05日 09時09分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。







