退任要求したら会社代表夫婦から株の買取請求
現社長夫婦と主人の3人で会社を立ち上げました。
一人100万の出資で20株ずつ保有。この度主人が社長夫婦に退任要求したら、夫婦の持ち株40株の買取を請求されました。およそ2000万だそうです。とても個人での買い取りは無理なので、会社名義での買い取りは可能でしょうか?
(資本金300万、繰越利益剰余金3200万)
また、会社名義で買取が可能だとしても、一括払いだと会社が回らなくなってしまうので、分割払いでも可能なのでしょうか?
税理士の回答

回答します
会社が株主から自社の株式を購入することは、自己株式(金庫株)として認められています。
支払方法が分割になるのか話し合いによります。
なお、購入価額が、当該株式にかかる資本金等の額を超える場合は、超えた部分は「みなし配当」として、源泉徴収が必要になりますのでご注意ください。
※ 資本金等の額は、法人税確定申告書別表五(一)の下部に記載されている額です。
イメージとしては、添付した「源泉徴収のあらまし」の4枚目(p231)を参考にしてください。 https://www.nta.go.jp/publication/pamph/gensen/aramashi2019/pdf/10.pdf
回答ありがとうございます。話しあいで分割も可能と聞いて安心致しました。
そこでまた質問ですが、例えば40株を毎月1株ずつ買い取っていくということも可能なのでしょうか?
可能な場合、メリットデメリット等ありますでしょうか?

回答します。
結論を申し上げると「できます」。
ただし、月一株ですと全ての購入に3年以上かかるため、相手方が納得されればの話となります。(自己株式の取得に関しては、株主総会の議決が必要となります。)
メリットとしては、一括で購入されるより資金の余裕を持てる点と思われます。
デメリットは、繰越利益額が異動となるため購入金額が適正であるか否かを都度判断する必要があることと思われます。
なお、会社法の規定として
自己株式の取得に際しては、「会社財産の払い戻し」であるため、会社法上「取得効力発生日における分配可能額」を超えてはいけない(会社法461条 会計規則186)ことになってます。
そのため、分割して購入する場合、購入時(自己株式の取得の効力発生時)において「分配可能額」を超えないよう注意する必要があります。
また、自己株式の取得する場合は原則として株主総会決議等の手続きが必要になります(特定の株主からの購入時には「特別議決」が必要)ので、念のためお伝えいたします。
ありがとうございました。そこでまたまた質問なのですが、
社長夫婦から株を買い取ると、会社発行済株式総数60株のうち、主人が20株:会社所有で40株となりますが、これは問題ないでしょうか?
あと、社長夫婦が退任されると、代表取締役は主人で、私は取締役になる予定ですが、取締役になるのに株の保有の有無は関係ありますか?

回答します
自己株式は、かつては消却・処分(売却)が義務付けられていましたが、現在はそのような規定はないため保有したままでかまいません。
また、自己株式に関しては議決権も無いため特に問題はありません。
なお、取締役に就任するにあたり、特に株式の保有(取得)は必要なりませんので、保有の有無は関係ありません。
度重なる質問に丁寧に回答して下さってありがとうございました。とても参考になりました。

ベストアンサーをありがとうございます。
自己株式の取得は、会社法上出来るようになりましたが、「みなし配当(源泉徴収による納付)」の計算ミスや未納が多い案件になりますので、ご注意ください。
本投稿は、2020年08月25日 17時26分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。