役員退職金引当金について
退職金規程(役員)のない法人です。
社長が勤続15年、そろそろ年齢的にもここ数年のうちに退職を考えておりますが、規程がありません。
まずは規程を作らないといけないでしょうか?
また、自社株価を下げることも踏まえて退職金引当金を設定する場合(今まで設定が一度もありません)、今年度に
最終役員報酬月額100万 × 役員在任期間15年 =1500万
を計上しようと考えております。
来年度からは毎年100万で退職までを考えております。
実際、退職金を出すときには
最終役員報酬月額100万 × 役員在任期間18年(今から3年後として) × 功績倍率3倍=5400万
までを考えております。問題ないでしょうか?
何かご指示いただけるとありがたいです。
税理士の回答

退職金規程(役員)のない法人です。
社長が勤続15年、そろそろ年齢的にもここ数年のうちに退職を考えておりますが、規程がありません。
規定がないといけません。作ってください。
まずは規程を作らないといけないでしょうか?
また、自社株価を下げることも踏まえて退職金引当金を設定する場合(今まで設定が一度もありません)、今年度に
最終役員報酬月額100万 × 役員在任期間15年 =1500万
を計上しようと考えております。
引当金を計上しても、株価は下がりません。
実際に支給後に下がります。
来年度からは毎年100万で退職までを考えております。
実際、退職金を出すときには
最終役員報酬月額100万 × 役員在任期間18年(今から3年後として) × 功績倍率3倍=5400万
までを考えております。問題ないでしょうか?
功績倍率については、何とも言い難いものがあります。
慎重にお願いします。
担当の税理士とも相談してください。
よろしくお願いいたします。

境内生
退職金引当金の設定計上は不要です。
退職金規定がないと退職金を出してはいけないというものではございません。あくまでも社内規定です。通常は取締役会で決め、株主総会の承認を受けて退職金を確定支給いたします。金額の算定方法は上記の算出がすべてではなく、一般的な計算方法であるとお考え下さい。役員退職金が高額か否かは御社の役員としての業績等を同業他社と比較して判断されます。私見ですが、金額的には問題ないのではないかと考えます
回答いただきありがとうございます。
もう少し質問させてください。
竹中先生、
退職金引当金を計上しても自社株価は下がらないのでしょうか?
会計上と税務上の取り扱いは違うということなので、実際の法人税はかかるものと認識しています。
少し前に相続税申告書を依頼した税理士から「退職引当金があれば自社株価が下がったのになぁ~」と言われたものですから、将来のことも踏まえて計上したほうがよいのかと思った次第でした。
境内先生、
取締役会の承認があれば税務署は認めてくれるということですね。
役員退職金の金額についてはよく検討しなければならないと思っておりました。
従業員の退職金規定はあるのですが、役員の分はなぜか書いてなかったので、慌てて相談したところです。

竹中先生、
退職金引当金を計上しても自社株価は下がらないのでしょうか?
会計上と税務上の取り扱いは違うということなので、実際の法人税はかかるものと認識しています。
少し前に相続税申告書を依頼した税理士から「退職引当金があれば自社株価が下がったのになぁ~」と言われたものですから、将来のことも踏まえて計上したほうがよいのかと思った次第でした。
引当金は、負債の部に計上されます。
会計上は、負債みえますが・・・税務上は、負債とは考えません。
その税理士さんの、何かの勘違いと思われます。
境内先生の言われることがごもっともです(正しいです)が、あるに越したことはありません。
でも、規定通りであっても、税務上高額であれば、否認ということになります。
適正金額が大切です。
境内先生のアドバイスも踏まえ、よろしくお考え下さい。
よろしくお願いいたします。

境内生
相続税法上、取引相場のない株式の評価は会社の規模によって類似業種比準価額及び純資産価額の株価の併用によって算定します。純資産価額における負債は債務性の確定したもののみが計上されますので、退職金として確定した時点でないと債務性はございません。債務性が確定するのは取締役会の承認ではなく、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した時になりますのでご注意ください。株主総会の承認までとれて初めて形式上の損金性は認められます。あとは対価の実体性を税務判断することになります。役員退職金規定を作成しますとご自身の退職金はその規定に基づいて算出し、算定根拠としては明瞭になりますが、他の役員退職金の支給もその規定に基づいて算出することになります。税務判例では規定があるから大丈夫ということではなく、類似企業のデータと比較して役員退職金の高額か否かを判定しています。
竹中先生、境内先生
お忙しい中、相談にのっていただきありがとうございました。
お二人の回答を今後の会計処理に生かしていきます。
本投稿は、2020年09月30日 12時34分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。