海外から来日した技能実習生の国外扶養家族の必要書類の件
①親族関係書類として戸籍謄本、婚姻証明書、出生証明書等が求められますが
毎年、取得しなければならないのでしょうか?それとも、1回きりで良いので
しょうか?
②16歳~29歳、70歳以上は送金の金額要件は無いですが、0円はダメにしても、1円でも
良いのでしょうか?
税理士の回答

矢尾正俊
ご質問に回答させて頂きます。
結論
①親族関係書類は原則として1回の提出で足り、毎年の取得・提出は不要です。
②16歳~29歳、70歳以上の国外居住親族については、送金額の下限は設定されていませんが、生活費または教育費に充てるための支払いが必要です。1円でも可能ですが、実質的に扶養していることを示す金額が望ましいです。
詳細根拠
①親族関係書類の提出頻度について
所得税法施行規則第47条の2第3項において、親族関係書類は「当該親族に係る親族関係書類を提出し、又は提示したことがある場合には、その提出又は提示をする必要はない」と規定されています。
国税庁の「令和5年1月からの国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)」(chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/0022009-107_02.pdf)においても、以下のように説明されています:
Q9: 親族関係書類は毎年提出又は提示する必要がありますか。
A: 親族関係書類については、一度提出又は提示をすれば、その後の年分において改めて提出又は提示をする必要はありません。ただし、その親族関係書類の記載内容に変更があった場合には、変更後の内容を明らかにする親族関係書類を提出又は提示する必要があります。
②16歳~29歳、70歳以上の国外居住親族の送金要件について
所得税法第2条第1項第34号及び所得税法施行令第11条において、扶養親族の要件として「納税者と生計を一にすること」が規定されています。
国税庁の「令和5年1月からの国外居住親族に係る扶養控除等Q&A(源泉所得税関係)」では、以下のように説明されています:
Q13: 16歳以上30歳未満の者及び70歳以上の者については、送金額に下限はありますか。
A: 16歳以上30歳未満の者及び70歳以上の者については、送金額の下限は設けられていません。ただし、これらの者についても、生計を一にするための送金が必要です。
また、国税庁の「国外居住親族に係る扶養控除等の適用について」のページでは、送金関係書類について「居住者がその年において国外居住親族の生活費又は教育費に充てるための支払を必要の都度行ったことを明らかにするもの」と説明されています。
したがって、16歳~29歳、70歳以上の国外居住親族については、送金額の下限は設定されていませんが、実質的に扶養していることを示す金額の送金が必要です。1円でも法令上は可能ですが、実務上は生活費または教育費として相応の金額を送金することが望ましいと思われます。
以上の内容から、親族関係書類は原則として1回の提出で十分であり、16歳~29歳、70歳以上の国外居住親族への送金については金額の下限はないものの、実質的な扶養を示す金額が求められているかと思われます。
本投稿は、2024年12月26日 13時03分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。