社長の自宅を会社に売却して消費税を減らしたい
今期訳あって売上だけが普段の倍程あり、消費税の納税額が数百万になりそうです(仕入れを前期にしたたため売上だけが増えています)
そこで、現在住宅ローン返済中の自宅戸建て(時価約2,000万。残債も約2,000万。会社に購入資金は有り)を会社に売却してローンを完済し、社宅化してしようと思います。そうすれば、個人は消費税を納める必要がなく、会社は消費税の納税額を買い取った価格のうち上物の消費税額分減らせると思うのですが、間違っているでしょうか?
2020年から1,000万円以上の不動産取得で支払い消費税は受け取った消費税と相殺出来なくなったとの情報も見たのですが、まだ日が浅いせいか事例が少なく今ひとつ良く分かりません。
ご指導をよろしくお願い致します。
税理士の回答

小川真文
貴社のご事情と色々と消費税の取り扱いを検討されたお考えはよく理解できますが、現在の法令では難しいと考えます。(改正消費税法の施行前でしたら可能性がありました)
「2020年から1,000万円以上の不動産取得で支払い消費税は受け取った消費税と相殺出来なくなったとの情報」についての参考資料を以下に掲げています。
社宅に係る仕入税額控除(国税庁ホームページより抜粋)
【照会要旨】 社宅や従業員寮の使用料は住宅家賃として非課税になるとのことですが、社宅や従業員寮の取得費、借上料や維持等に要する費用に係る仕入税額控除の取扱いはどのようになりますか。
【回答要旨】 住宅家賃については非課税とされていますが、社宅や従業員寮も住宅に該当します。また、その建物が住宅用であれば、他の者に転貸するために借り受ける場合の家賃及びこれを他の者に転貸した場合の家賃ともに住宅家賃に該当します。
したがって、会社が住宅の所有者から従業員の社宅又は従業員寮用に借り上げる場合の借上料及び借り上げた住宅又は従業員寮を従業員に貸し付ける場合の使用料ともに非課税となる住宅家賃に該当します。
これらの社宅や従業員寮の『取得費』、借上料又は維持等に要する費用に係る仕入税額控除の取扱いは次のようになります。
1 自己において取得した社宅や従業員寮の取得費
『使用料を徴収する社宅や従業員寮は、居住用賃貸建物に該当しますので、事業者が、国内において行う社宅や従業員寮の取得に係る課税仕入れ等の税額については、仕入税額控除の対象となりません。』
なお、従業員から使用料を徴収せず、無償で貸し付けることがその取得の時点で客観的に明らかな社宅や従業員寮は居住用賃貸建物に該当しないことから、その取得費は仕入税額控除の対象となります。この場合の個別対応方式による課税仕入れ等の区分は、原則として課税資産の譲渡等とその他の資産の譲渡等に共通して要するものに該当します。
(中略)
1 『居住用賃貸建物とは、住宅の貸付けの用に供しないことが明らかな建物(その附属設備を含みます。)以外の建物』であって、高額特定資産又は調整対象自己建設高額資産に該当するものをいいます。
以上のとおり「自宅戸建てを会社に売却してローンを完済し、社宅化」しても会社は仕入税額控除はできません。ですから「会社は消費税の納税額を買い取った価格のうち上物の消費税額分減らせる」ことは難しいものと考えます。他の方策を色々と考えましたが、今のところ代案がありませんでした。よろしくお願いいたします。
小川先生、早速にご回答頂きまして、ありがとうございました。
何とかしたいなら、貴金属を購入するくらいしか方法はなさそうですね。ありがとうございました。
本投稿は、2022年11月21日 14時04分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。