運用報酬にかかる仕入税額控除の計上における端数ずれの取り扱いについて
お世話になっております。
弊社では企業年金の運用を信託会社に依頼しています。運用報酬について消費税が課税されていますが、この消費税相当額は委託者において仕入税額控除の算出の対象とすることができると運用会社から文書をもらい、仕入税額控除を行っています。
このとき消費税の端数の取り扱いが運用委託先(端数切り捨て)と弊社(端数四捨五入)との間で異なる場合、運用委託先が記載する消費税額を仕入税額控除に合致させなければならないのでしょうか?
~~~運用会社からの文章からの抜粋~~~
・運用報酬に係る消費税の記帳方法
仕入税額控除を行う場合には、次のように仕訳基調を行うこととなります。
税抜仕訳を行う場合
(仮払消費税) XXX / (雑収入) XXX
(注)消費税相当額だけを仕訳記帳します。
~~~
運用報酬額兼消費税等計算書 の内容
運用会社からの課税後信託報酬額
508,581円(うち、消費税46,234円)
①当社のシステムでの計上について仮払消費税を計算書に合わせる場合。
雑収入462,345円 / 雑収入 508,579円
仮払消費税46,234円
②システムでは四捨五入され、仮払消費税は下記の提案がされます。
雑収入462,346円 / 雑収入 508,581円
仮払消費税46,235円
システムへ入力時は②の提案がさきにされますが、それを消費税額を合致させるためハンドで①へ変更しています。
この仮払消費税を合致させなければならないのでしょうか?
②の内容で進めることは誤りなのでしょうか。
納税者有利の原則もあるので、②を選択しても差し支えがないと思っているのですが。。
もし②の取り扱いをしても差し支えない場合、どの条文にてそれが確認できるかご教示をいただけますと幸いです。
なお、弊社でのシステムは消費税を四捨五入にて計上するため、通常の費用請求内容とで端数ずれが生じても、修正はしておりません。
ご確認のほど、よろしくお願いいたします。
以上、よろしくお願いいたします。
税理士の回答

土師弘之
課税仕入れに係る消費税額は、原則としてその課税期間中に国内において行った課税仕入れに係る支払対価の額の合計額に110分の7.8(軽減税率の適用対象となる課税仕入れについては、108分の6.24)を乗じて計算した金額です。なお、1円未満の端数は切り捨てます。
つまり、原則として、110分の10(地方消費税額込)で計算するため、端数処理のずれは起こらないこととなっています。
また、積み上げ計算(相手方から請求された消費税をそのまま仮払消費税として経理する方法)を採用している場合には、継続適用を条件として認められることになっています。
国税庁ホームページのタックスアンサー№6391にその詳細が載っています。
土師様、お世話になります。
ご回答くださいましてありがとうございました。
弊社では税抜会計により仕入計上の都度、仮払消費税を計上しています。(これは積み上げ計算により仮払消費税を計上していることになるかと思います。)
この場合タックスアンサーNo.6391より、『この方法を適用する場合の、その取引ごとに行う消費税等相当額の1円未満の端数処理は、切捨てまたは四捨五入によります。』の記載の通り端数処理を四捨五入として差し支えなく、この質問の②を選択しても差し支えないと読めるのですが、この理解は誤りでしょうか?
お手数ですがご教示のほど、よろしくお願い致します。

土師弘之
税抜経理を適用しているのであれば、ご理解のとおり、質問②の方法を選択することができます。相手方の端数処理と一致させる必要はないという意味です。
土師様、お世話になります。
ご回答くださいまして、ありがとうございました。
大変勉強になりました。当方の理解に不足がないとのことで安心しました。
以上、よろしくお願いします。
本投稿は、2023年03月20日 17時38分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。