腕時計の委託販売について
わたくし個人が所有している腕時計を時計店で預かってもらい、私に代わって販売してくれる委託販売サービスがあることを知りました。この時の消費税の考え方について教えてください。
時計店のHPに記載のサービス概要は以下の通りでした。
◾️時計の販売価格 : 100万円
※この販売価格が税込 or 税抜なのかがわかる
記述は無し。
◾️時計店が徴収する委託販売手数料 : 3万円 (=3%)
◾️私が受け取る金額 : 97万円
時計店に電話で詳しく確認したところ、実際には、
◆時計の販売価格(税込) 110万円 が店頭販売価格となり、
HPに記載の100万円は税抜販売価格の意味だとの事。
◆税込110万円 - 税抜100万円 = 10万円は消費税として
時計店で徴収。
◆私が受け取る金額は、税抜販売価格100万円から販売
手数料3%を除いた97万円になるとのこと。
税には全く詳しくないのですが、時計店は10万円の
消費税を乗せて110万円で店頭販売する必要があるのでしょうか?時計店は、私個人と別の個人の間における売買を繋いでくれているだけで、その対価としての委託販売手数料なのではないでしょうか?
例えばメルカリでは販売価格に消費税はなく、メルカリへ支払うのは販売価格に対する10%の手数料のみです。
また、マンションの中古売買でも不動産業者へ支払うのは仲介手数料のみで、マンション販売価格に消費税は乗っていません。
この腕時計店が提示するスキームは正しいのでしょうか?
※WEBで複数の腕時計委託販売サービスがありますが、
どれも今回と同じようなやり方です。
ご教示頂けると幸いです。
税理士の回答
こんにちは。
ご質問者様が違和感を感じた通り、変ですね。
よくある古物商(お店に買い取ってもらう)の場合を少し考えてみましょう。
お店は時計を仕入れることになり、消費税法上(契約書にて消費税を含まない等の記述があったとしても)そこには消費税を含む価額で取引されると考えます。例えば200万円(税込)で仕入れて、250万円(税込)で売却したとき、消費税の差額4.5万円(250万円÷1.1×10%-200万円÷1.1×10%)を国に納付することになります。
さて、ご質問の本旨に戻って委託の場合ですが、事業を行っていない個人間取引には消費税は含みません(消費税の要件を満たさないため「不課税」と言います)。そのため、契約書上「消費税を含む」等と記載があったとしても、消費税法上110万円は税抜と考えるべきです。今回の例では、手数料の3%(3万円)のみが税込で取引されるべきです。このケースでは、お店は約13%の利益が上がることになりますね。
個人的には「店頭」と記載があるので前者(つまり買い取り)と同じような発想なのかな?と思いました。ただ、その場合でも結論は同じで、買取価額の100万円は税抜ではなく、消費税法上は税込と考えます(何度も言いますが、契約書で「税抜」と記載していたとしても、です)ので、国への納税は0.9万円(110万円÷1.1×10%-100万円÷1.1×10%)を納付することになるため、委託手数料と合わせて約12万円がお店の手元に残ることになりますね。
これを分かった上でビジネスをやっているように思えますね。
わかりやすいご返信ありがとうございました。
やはり何か変な取り引きですね。
このスキームは選択肢から除外しようと思います。
腕時計の委託販売スキームはこの手のものばかりです。
業界のやり方にも不信感を覚えました。
この度はありがとうございました!
本投稿は、2022年08月17日 06時35分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。