造作譲渡契約に関して
知人から居抜きで飲食店を引き継ぎます。
契約の際の必要事項 書類や領収書などを
教えていただきたいです。
税理士の回答

小川真文
居抜き物件とは、前テナントが造作した店舗の内装、厨房設備などがそのままの状態で残っている物件のことです。 業態や店のグレード、経過年数などによって、居抜き物件の現況は異なります。そのため開業費用や準備時間を抑えられるというメリットがある一方、引き継いだ内外装や設備が経年劣化で不具合が出て、買い替えるには解体や処分が必要で費用がかかることや、以前の店の悪いイメージを引きずってしまうというデメリットやリスクもあります。
まず以前のテナントが閉店した理由を調査して、内覧時には立地や周辺環境もチェックして店に悪影響はないと判断してから出店を決断することをおすすめします。さらに予想以上に改装費用がかかることがあります。引き継いだ設備が正常に稼働せず、設備改修が必要になることがあるため、事前に、厨房機器やエアコンなどの状態などを確認しておくと安心です。また給排水、ガス管や電気設備などの配置変更が必要になり、改装工事が発生するケースもあります。前もって、現況の内装やレイアウトのままで問題ないか、確認しておきましょう。
また店舗物件の契約書には、内装譲渡禁止・原状回復義務などの条件が記載されているのが一般的です。居抜きで引き渡すには、ビルオーナーの了解が必要になります。最後に見落としやすいのが「リース契約」の内容です。内装や設備を引き継ぐ場合、「リースに該当するもの」「リース内容の詳細」「機材の動作確認」の3つをしっかりと確認してください。リース契約の設備や機器にトラブルが発生したら、リース会社に回収されるケースもあります。内装譲渡契約では、リース関連のトラブルが生じた際の条項も契約書に盛り込んでおくと安心です。
居抜き物件では入居後に設備の不具合が出る、リース品が残っていた、原状回復費用が予想外に高かったなどのトラブルが起こり得ます。 内外装や設備の引継ぎについては造作譲渡契約書を、原状回復の範囲や内容についてはテナントの賃貸契約書をしっかり確認してください。
本投稿は、2024年11月28日 17時42分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。