銀行への融資相談時の注意事項について
お世話になります。
4月から2期目に入った会社の代表をしています。
会社は自分で希望して設立したわけではなく、半ば強制的に代表となった為
あまり財務のことや経営のことがわかっておりませんので、予めご了承下さい。
親会社の100%出資による完全子会社です。
本題です。
預金残高に不安があり、株主より日本政策金融公庫へ相談するように言われ、相談しました。
審査の途中で親会社が100%出資なのであれば、親会社の決算書の提出を依頼されました。
しかし、親会社が拒否し、それが要因かわかりませんが、結果的に融資が通りませんでした。
メインの銀行へ相談すると、
・3期終わらなければ、保証協会付きの融資になる
・親会社が決算書出さないなら、融資は厳しい
・親会社のメインバンクと同じだから、、(銀行内のルールに引っかかる?)
他銀行へ相談すると
・取引履歴が少い
・親会社の決算書提出は必須
などと言われたりしています。
銀行が本当の理由は教えてくれないことは重々承知しておりますが、
私自身原因がわからないまま手当たり次第に相談するのも嫌になっている状態です。
そこで、私が考えた銀行が懸念している点は下記の通りです。
1:親や他子会社へのお金の流れ
お金の流れでは確かに毎月親会社へ
・賃料(親会社が借りているフロアの一部を使用している為)
・売上の一部を顧問料として支払
というのが通帳の記録に残っていますし、グループ内の他小会社へ外注等で支払があります。
2:親会社が決算書提出を拒否する
何故かわかりませんが、他子会社が決算書を提出せずに銀行融資が通ったことを根拠に
拒否されます
(実際は他子会社が融資申請した時は親会社の株保有の割合は2割のみでした)
また、会長が付き合いのある銀行の担当者に聞いたところ、決算書の提出なくても大丈夫だと
言われたそうです。(支店が遠いところの担当です)
3:親族関係
親会社の会長と私が親族関係にあり、今の会社の設立当初は会長が代表をしており
1期目途中で私と代わりました。
上記が銀行からは懸念点とされてしまうものでしょうか。
上記の状況でも融資が通った会社がいるのかわかりませんが
もし何か問題があればご教示頂けると助かります。
長文となり、申し訳ございませんが何卒よろしくお願いします。
税理士の回答
融資の審査は、モデルケースであれば通過する、というものではなく、個別に総合勘案されるものなので、一概には言えませんが、相談者様が想定された3つの懸念点は、概ね的を得ていると思います。
下記は補足として回答させていただきます。
(1)親会社の決算書が必要な理由
本来は、企業単体で審査するものなので、原則論としては親会社の決算書は不要ですが、100%出資の設立2年目の子会社となると親会社が撤退にかじを切った場合、子会社の存続は不可能になると想定されるので、親会社の決算書が必要という事は納得性があります。
また、親会社及び他の子会社との取引があることから、この理由はより強くなっているものと思われます。
(2)出資者との一体性
金融機関は政策金融公庫も含めて、金融庁の「金融検査マニュアル」に従って融資査定を行います。
平成14年に策定された「金融検査マニュアル:中小企業編」では、「代表者等との一体性に着目する」という項目があり、中小企業の場合で100%出資の子会社の時は、親会社と子会社を一体で審査することになります。
http://www.fsa.go.jp/manual/manualj/manual_yokin/bessatu/kensa01/leaf_c.pdf
これは、子会社だけでは審査が通過しなくとも、親会社に問題がなければ審査が通過する、というプラスの趣旨のものです。
上記2点から『親会社が決算書を出さない』という事は、「親会社に何か問題があるのでは?」または「親会社との関係が悪化しているのでは?」という懸念を持たれているものと想定できます。
ご参考にしてください。
よろしくお願いいたします。
本投稿は、2016年06月02日 12時43分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。