役員借入金の棚卸し資産による相殺について
お世話になります。
終活の一環として赤字が続いている玩具販売会社である株式会社(実質一人株式会社)の解散を検討してます。
現状は、役員借入金1800万円、繰り越し損失300万円、棚卸し資産1600万円、その他資産0円です。
役員借入金の現金での返済は見込めず、棚卸し資産を役員が取得して相殺処理することは可能なのでしょうか?
なお、この相殺処理は解散事業年度の前年度での処理は可能でしょうか?あるいは、解散事業年度のみでしか処理できないのでしょうか?
税理士の回答

役員借入金と棚卸資産の相殺は可能です。役員に在庫商品を買い取ってもらうことと同様になります。そのため、相殺する金額は帳簿価額ではなく時価(通常の販売価額)になるものと考えます。
相殺の時期は解散年度の前でも問題ないと思われます。

藤本寛之
会社の在庫を適正価格で売却し、役員借入金と相殺するといったことは可能です。
ただし、売却するということは消費税の課税事業者であれば売却に伴う消費税の納税負担が会社に生じます。
この処理は解散事業年度の前年度での処理は可能です。
早速のご回答を誠にありがとうございました。
棚卸資産を通常販売価格にて役員に販売すると決算時に利益が発生し、当然法人税の支払いが発生することになるかと考えますが、現実に現金は無く税金を払うことが出来ません。そのために棚卸資産を借入金返済に充当する棚卸価格での代物弁済出来ないかと考えた次第です。
他に棚卸資産を借入金を相殺する手段は無いのでしょうか?
次に、時価(通常の販売価額)についてですが、販売商品はいわゆる国内定価が存在してません。更に、実際の販売価格は、入荷の状況や需要の動向を見て自社で決定しており利益率は必ずしも一定では有りません。(棚卸しは個別法を採用)
この場合の時価(通常の販売価額)はどの様に考えれば宜しいのでしょうか?

藤本寛之
以下のような方法も考えられます。
①棚卸資産は外部に販売、販売不可な商品については廃棄。
②会社を解散
③会社清算の段階で役員借入金を債務免除する。債務免除益には法人税が課せられますが、期限切れ欠損金を適用することによって、課税を回避。
③については専門的になりますので、税理士の指導のもと行われることをお勧めします。

役員や使用人に自社製品等を販売する場合には時価が原則ではありますが、次のような例外規定を設けています。
所得税法基本通達36-23
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kihon/shotoku/05/03.htm
この規定を援用して考えると、販売価額が不明ということであれば、仕入原価(つまり帳簿価額)での販売(相殺)が是認されるものと思われます。
重ねてのご回答を誠にありがとうございました。
大いに参考になりました。
お知らせ頂いた規定を参照して検討させて頂きます。
しかし、これ以外にも、まだ問題は山積みで道は長いと考えてます。
再度のご相談をお願いすることに成るかと思いますので今後も宜しくお願い致します。
本投稿は、2019年05月24日 10時41分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。