楽器を売った得た金は確定申告など必要ですか
バイオリンを楽器屋に売って550万円振り込まれました。
この金は、法律上放置する(確定申告をしないなど)ことはできない金でしょうか?
なお、振込先は私名義なのですが、近いうちに母の口座に移したいと思っています。
現在は無職で収入はありません。確定申告などもしたこともなく、税制度を何も理解していません。
なにか、法律上で行わなければいけない事がありましたら、教えてください。
税理士の回答

個人が資産を売却(譲渡)して利益が生じた場合には、「譲渡所得」として所得税住民税等が課されます。日常生活に通常必要な動産を譲渡した場合には課税されないという取扱いもありますが、これは1個又は1組が30万円以下のものが対象であり、ご相談のような譲渡金額が550万円のバイオリンとなりますと、非課税扱いにはならず原則通り譲渡所得に該当するものと考えます。
譲渡所得につきましては、譲渡者(物件の所有者)が譲渡した年の翌年2月16日から3月15日までの間にお住いの税務署に確定申告することが必要です。
ところで、「近いうちに母の口座に移したいと思っています」と書かれていらっしゃいますが、譲渡されたバイオリンはお母様のものでしたのでしょうか。お母様のバイオリンを譲渡したので、その代金をお母様の口座に入金するのであれば宜しいですが、ご相談者様のバイオリンを譲渡されて、その代金をお母様の口座に入金されますと、お母様に贈与税が課税されますのでご注意ください。
なお、譲渡所得の確定申告をなさる場合には、バイオリンの購入経緯と購入価額等がわかる資料も必要となります。大変かと思いますが、申告漏れとなってしまいますとペナルティも課されますので、関係資料を揃えたうえで専門家に一度ご相談されることが宜しいかと思います。
ご参考になれば幸いです。
ご回答ありがとうございます。
バイオリンの所有者は明確に決まっていたわけではありません。母が購入し私が使用していたもので、ただ、暗黙のうちにずっと私の管理下にありました。
贈与税がかかるかどうかの明確な条件はありますか?
例えばの話「これは母の楽器で、売却時に止むを得ず他者(私)の口座に入金したのだ。」と言い張れば通用する話なのでしょうか?
また、バイオリンの購入経緯と購入価格等がわかる資料が確定申告に必要とのことですが、楽器屋からもらったのは、「振込・振替明細帳票」と書かれた、どこの口座からどこの口座に550万円振り込んだという一枚のペラい明細票だけです。
一応そこに会社名は書いてありますが、「バイオリンを売った」というような文字はありません。
これでも大丈夫でしょうか。
なお、母の口座に振り込むのは年内の話です。
母に贈与税がかかる場合もかからない場合も、私が確定申告をしなければいけないのでしょうか?

ご連絡ありがとうございました。
拝読した文面から判断しますと、バイオリンの所有者はお母様になると思われます。
贈与に関しましては、民法で次のように定められています。
「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾することによって、その効力を生ずる」(民法549条)
つまり、「あげる」という意思表示と、「もらう」という受諾の両方があった場合に、贈与が成立することになります。
購入者がお母様であることから、過去にお母様からご相談者様にバイオリンが贈与されたと証明できるもの(贈与契約書など)があれば別ですが、現状からはお母様のバイオリンだと考えるのが一般的と思います。
そうなりますと今回の売却に関しては、売主はお母様であり、その手続きをご子息が代行してあげたと考えることになります。
その場合であれば、「これは母の楽器で、代理として私の口座に入金した(一時的に預かっている)ものだ。」という理論になると考えます。
お母様の売却代金を一時的に預かっていて、それをお母様の口座に送金したということであれば、それは贈与にはなりませんのでお母様に贈与税はかかりません。
一方、売主がお母様となりますと、譲渡所得(所得税)の確定申告をする方はお母様になります。
所得税の申告をする際に誤解が生じないよう、「売主がお母様であること」が分かる書面を、楽器屋さんにお願いしてはいかがでしょうか。
また、譲渡所得は、「収入金額」から「取得費」を差し引いて計算します。その「取得費」を算定するときに、お母様が購入されたときの資料(いつ、いくらで購入されたか)が必要になります。
「贈与」と「譲渡」が絡んで、わかりにくい点があるかと思いますが、ご参考になりましたら幸いです。
何度もすみません。
自分なりに調べました所、取得費が収入金額を上回るので、譲渡所得にはならないとわかりました。
ただ、取得費は把握しているのですが、それを証明する書類がありません。
この場合も、確定申告は何らかの形で必要でしょうか?

ご連絡ありがとうございます。
一般の方で確定申告が必要となるのは、「各種所得金額の合計額が、各種所得控除の合計額を超え、その額に税率を掛けた計算した金額が各種税額控除の額を超える人」(所得税法120条)となっています。
分かりやすく言いますと、「納める所得税があるときは、確定申告してください。」ということです。逆に言えば、納める税金がない場合には確定申告を省略することが可能です(但し青色申告者は除きます。)。
したがって、バイオリンの譲渡が明らかに譲渡損であり、他にも申告すべき収入(所得)が無い場合には、確定申告を省略しても法律上は問題ありません。
しかし、バイオリンの売却代金に関して、後日、税務署から問い合わせ(質問等)があった場合には、その質問に関しては回答する義務があります。その際に、取得費の関係資料の提示を求められることもあります。購入時の売買契約書や領収書がベストですが、それらが無い場合には預金通帳等で支払いの事実を説明できるものがないか、第三者の証言等がとれないかを確認しておくことが必要であると思います。
宜しくお願いします。
本投稿は、2015年05月26日 14時07分公開時点の情報です。 投稿内容については、ご自身の責任のもと適法性・有用性を考慮してご利用いただくようお願いいたします。